イギリス旅行

イギリス旅行の二日目。この日はロンドンがおっかないからもっと田舎に行ってみようと思い、電車に乗ってカンタベリーに移動したんだった。カンタベリーはたしか石造りの家が並んでいて、いかにも古くからあるヨーロッパの街、というのんびりした感じの場所だったと思う。天気も良く、僕の緊張もちょっと溶けている。このイギリス旅行ではほとんどユースホステルに泊まっていたのだけど、カンタベリーユースホステルカンタベリーの石造りエリアからはだいぶ離れた近代的な街エリアにあって、けっこう歩いた記憶がある。ユースホステルは大きな部屋に二段ベッドが5、6台並んでいて、10人とかそれくらいの人が一緒の部屋で寝るようになっていた。

1997年8月29日(金)

 昨日は7時くらいに寝てしまった。そして夜中に何回も目をさました。夢を一本みるたびに目をさました。Sさんが出てくる夢や、ぼたもちを投げて戦争ごっこをする夢。(電車がひどくゆれて書きにくい)6時頃に起きてシャワーを浴びて7時頃に出てきた。同室の少年はまだ寝ていた。けっきょく彼とは何もコミュニケーションをとらなかった。
 ヴィクトリア駅までまた地下鉄に乗り、マクドナルドでめしを食い、いろいろ迷ったりして、やっとカンタベリー行きの電車に乗った。向かい側に日本語をちょびっと話す白人が座った。
 無計画で来たのは失敗かもしれない。無駄がすごく多い。金と労力がかかる割に、あまり多く見てまわれない。カンタベリーの往復を買ってしまったけれど、片道にしてポーツマスの方までゆけば良かった。もう10時を過ぎたけれどホテルの予約もしていない。
 僕の英語力がこんなにとぼしいとは思ってもみなかった。全然しゃべれない。
 飛行機は香港からロンドンまでのやつに隣に2人連れのお姉さんが乗った。
 電車の窓の外は良い景色である。広い牧場やレンガの家やもくもくした雲がひろがっている。

 午後6時22分
 カンタベリーにつくと、さっそくユースホステルまで歩く。けっこう遠かった。しかし、1時まで開かないと言われ、しかたなくまた歩いて戻り、カンタベリーをうろつく。そして金物屋でパッドロックを買い、ユースホステルに戻り、部屋に荷物を置いて、街にくりだす。このユースホステルには2泊することにする。1泊、朝、夕めしつきで16ポンド50ペンスである。ここで初めてクレジットカードを使う。またうろうろしてマクドナでめしをくう。そのあとカンタベリー大聖堂に行き、1ポンド50ペンスで入る。天井がとても高い。ここを見てまわっていてふと思ったのだけれど、僕は心の底からきれいだとか、すごいとか思っているのだろうか、それともただ感動したふりをして自分をだましているだけなのか。

 午後8時
 めしくった。マッシュポテトと白菜みたいなのを煮たものと、キノコのパイだった。マッシュポテトがどんぶり一杯くらいあって気持ちわるくなった。食堂を出たら日本人の女の子らしき2人づれに会ったけれど、なにもせずに部屋に来た。50円の石鹸で靴下とパンツを洗う。粗悪な石けんで、ピクルスのようなにおいがして、部屋中くさい。その後シャワーをあびた。
 カンタベリーの後、ぶらぶらてくてくして、アウグスティヌスの廃墟に行った。そこに楽しそうな30歳くらいのカップルがいた。そして廃墟の前の広場に青少年が集まって来て、ダンスのようなことをやりだした。僕はそういったものを見てとてもさみしくなった。やつらはとての楽しそうなのに、僕はひとりぼっちだ。それに、日本に帰っても、広場でダンスをおどってたような人ほど楽しそうになることなんかないと思う。FSAでも酒を飲むくらいしかみんなでやらない。日本人はいつも酒を飲んでいる。
 イギリスでは女の人のパンツが良く見られる。もう3回見た。
 「BEAN」を見た。女の人とか、悲鳴のように笑ってた。