字なんてまだ知らなくていいんです

 借家の大家さんが公文の教室をやっていてときどき無料体験とかに誘われるんだけども。最近の小学校はもう入る前から計算ができてあたりまえ、読み書きができてあたりまえ、みたいなふうに言われるんだけども。おどかそうとしてるわけじゃなくて善意で言ってくれているのはわかるんだけども。しかし文字を知らずにいられる時間をなるべく長く子供に体験させてあげたい、というのがうちの方針だから公文はちょっと方向性が違う。私は三歳なのにもう英語がしゃべれる、もう百まで数えられる、などと自慢する子になっちゃったら最悪だし、今は娘に自転車の練習とかあまちゃんごっことかを体験させてあげたい。ということを大家さんには普通に言えばいいのに、どうも言いづらい。それどころか。大家さんをがっかりさせてはいけないと思い、「へえ、そうなんですか、そうですか」といかにも興味ありげにあいづちを打つ。そんなことをしていては僕が公文に興味を持っていると思われるぞ。

 録画して見ている「ひよっこ」の先週の金曜日ぶんをみる。ミツオたちが待ち合わせをする噴水のある広場みたいな公園みたいなのはどこなんだろう。東京にあんなに気持ちの良さげな場所があるなんて知らなかった。