四日目

noise-poitrine2018-08-31

1997年8月31日(日)
午前10時44分
 カンタベリーを後にして、ヴィクトリア駅へ向かう電車の中で僕はこれを書いている。
 カンタベリーYHの人々は親切で良い人たちばかりだった。コックさんやおねえさんや、同室のおじさんたち。もう二度と彼らに会うこともないのだと思うと少しせつない。
 カンタベリーYHで、バースのYHを予約する。
 イギリス南東部はカンタベリーとドーヴァーしか行かなかった。こんなので良いのだろうかと思うけれどまあ良いのだろう。というか仕方ないだろう。いそがしくいっぱい見るより、ひとつのところに長くいた方がその土地が良く見えるようになるのではないかと思う。でもカンタベリーやドーヴァーがよく見えたかときかれたら、あまりそうとはいえないような気もする。
 ところで本当に日本人はどこにでもいる。

午後3時27分
 ヴィクトリア駅に着いたのは12時15分前くらいだった。僕はトイレに行きたかった。でも駅のトイレは20ペンスもするので、外に出て探すことにした。バースへ行く電車はパディントン駅から出るので、パディントン駅まで歩きながらみつけようと思った。ハイドバークの隣をとおって行くのが近いのだけれど、例によって違う道を行ってしまい、バッキンガム宮殿についてしまった。運悪く兵隊さんの交代に出くわしてしまい、人が多くて通れない。日本人がたくさんいた。
 グリーンパークのトイレで小便をする。そしてハイドパークの方へ歩く。BBCのカメラマンとかがバッキンガムにいた。大きな木がにょきにょきはえている道を歩く。アスファルトの道のとなりに、土の馬用道があるのをみて感心した。
 並木道を抜け、またうろうろしてハイドパークをみつける。中に入って並木道を歩く。腹がへっていて周りの景色を見る余裕もあまりない。しかもこの道がとても長い。延々と続く。
 スケートで滑ってゆく人々がいた。東京じゃあ、こんなことできる所はあまりないなあと思う。やっと終わりの方までくると、ビール瓶の箱の上に立って黒人がしゃべくっている。周りに人がいっぱいいる。3つくらいそれがかたまってた。水だかアルコールだかを片手にしゃべっている黒人がいた。
 またうろうろしてオックスフォード・ストリートに出て、ケンタッキーで昨日ドーヴァーでくったのと同じものをくう。
 その後ATMで120ポンドも下ろして、駅に向かう。僕は1ポンド=200円で計算しているのだけれど、本当はいくらなのだろうか。
 そこからパディントン駅までがまた長かった。
  切符をバースまで買うが、窓口のアラビア人風のターバンを巻いた男はすごく感じが悪い。しかも切符は片道5千円くらいもしやがる。さらに、2時半の電車が出てしまい、3時半まで待たねばならなくなる。けっこうブルーになった。
 ブルーな気持ちで電車に乗った。でも、日記をつけているうちに少しずつ回復して来た。「サージェント・ペッパー」でも聴くことにしようと思う。今はレディング。