茜雲

飛行機が落ちたのは夕方の7時ちょっと前で、お盆の今頃の7時ちょっと前は、日が沈んだ少しあとの時間で、日が沈んでも空はまだ明るくて、今日ぼくはバイトの帰りに、7時ちょっと前くらいの時間の空を見ながら自転車で帰ってきたんだけど、雲が茜色に光っていてすごくきれいだった。飛行機に乗っていた520人の人たちも飛行機の窓から茜色の雲を見ていたのかしら。でも、雲なんて見ている余裕はなかったのかもしれないなあ。それに、飛行機の窓から見える雲と、地上から見える雲はまたちょっと違うのかもしれない。

これは遺族の文集をまとめた本。3年前に買った。絶望とか、祈りとか、いなくなっちゃった人への愛情だとか、いろんなことが書かれていて、これを読んでいるとぐらぐらと心が揺さぶられるという大変な読み物で、ぼくはいまだにこの本を最後まで読めない。