行く夏を惜しんでデコ弾き「男はつらいよ」

夏のあいだはほとんど銭湯に行かず、夜、あたりが暗くなってからアパートの部屋の外についている水道でからだを洗っていたのだけれども、今日は水がなんだかえらく冷たくて、それで「ああ、もう夏も終わりなんだな」と思った。
昨日の夜はコーヒーを飲んだせいでなかなか眠れずにずっと布団の上に横になっていたのだけれども、夜中に「リーリー」と秋っぽい虫の鳴く声が聴こえた。
こないだの日曜日、お昼過ぎに自転車に乗っていたら、風が涼しくて、やっぱりなんだか秋っぽかった。
お盆すぎると、なんだかもうすぐ秋って感じがするなあ。

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カーソン・マッカラーズの『結婚式のメンバー』を読み返している。この小説を読むのは10回目くらいだろうか。
『結婚式のメンバー』は、たいはんが、12歳の女の子と6歳の男の子と40歳くらいのおばさんが台所でしゃべっているだけという内容。この3人が死とか愛とか孤独とか、いろんなことについてしゃべるんだけど、マッカラーズさんは言葉をつくしてこの3人の対話を書くことで、ことばでは言い表せないことをなんとか書こうとしていたんだろうなと、今回読みながら思った。
3人が見ているものや、聞いている音、かいでいる匂いなんかの描写がけっこういろいろと書き込まれていて、きっと3人が考えて話している内容というのは、この描写と切り離せないものなんだろうなと思う。見ているものや聞いている音やかいでいる匂いや、あるいはあの時代の雰囲気(ラジオからは戦争のニュースが聞こえてくる)なんかにひっぱられて、この3人はあのような対話をすることができたのだろうな。

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デコ弾き「男はつらいよ

ジミヘンは歯でギターを弾いたけど、俺はおデコで鍵盤を弾く。どうだ、まいったか。