世の中マザコンばっかしだ

今日から大学が始まり、図書館も開館した。
図書館では、いろんな学生さんとカウンターで話をするんだけど、どうもこのごろの学生さんはマザコンが多めであるような気がしなくもないと思わなくもない。なんでもお母さんにやってもらって不自由せずにぬくぬくと育った学生さんが多いみたいな気がするような気がすると言ったら言い過ぎかしら? マザコンの学生さんは、何もしゃべらなくても相手が自分の思っていることを察してサービスしてくれると思っているふしがあるように見えなくもない。マザコンの学生さんは、自分は可愛い息子(娘)なので、特別あつかいしてもらって当然だと思っているふしがあるように見えなくもない。マザコンの学生さんは、お母さんには甘えるけど、他人には冷たい態度をとりがちであるような気がすると言えなくもないと思わなくもない。
とか言っていると「マザコンはおまえのことだろう」とツッコミを入れられそうなので、俺もマザコンぎみにならないように気をつけなくちゃいけないと、このごろ僕はそう思って生きています。

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ノーバディーズの曲づくりのために歌詞の勉強をしようと思い、今までなんとなく聴いていたBob DylanやCreamやRolling Stonesの歌詞をネットで調べて辞書をひきひき読んでいる。
僕はCreamが大好きなんだけども、Creamの歌詞を読むと、そこに歌われている景色がバーッと目に浮かんでくる。”Wrapping paper”の歌詞なんてすごくかっこいい。
Wrapping paper in the gutter
Moving slowly as the wind on the sea,
In your picture on a wall of a house of old times.
この歌詞を読んで行くと、あたまの中の景色がどんどん大きく広がって行って、それがすごく気持ちいい。まず、包み紙がポンとあたまに浮かぶ。そして次に、その包み紙が溝に落ちている様子が見えて来る。で、次に、その溝の包み紙がカサカサと動いている動きがイメージされる。それはなんでかというと、風が吹いているからなのだ、ということが次にわかる。そして、その風はどこから吹いて来るのかというと、海から吹いて来るのだった、ということになる。始めは包み紙だけが見えていたのに、ここまで来るとあたまの中の景色は海にまで広がっている。で、そのあとに進むと、その海は実は「君の写真」に写っている海だったのだ、となる。この「君」とは昔大好きだった恋人のことなんだけど、その恋人の写真が壁にかかっていて、で、その壁は昔風の家の壁なのである。始めは包み紙だけがあったのに、次の行では気持ちいい風がふく海の風景が立ち上がり、3行目に進むと、動いていると思っていた包み紙は実は写真だったとうどんでん返しが来て、さらにそこに懐かしい恋人まで出てくる。
”Wrapping paper”の主人公は今は都会に住んでいて、昔恋人と一緒に過ごした海辺の家を思い返していて、いつかまた海辺の家で恋人に会いたいなと思っているのである。Creamの歌にはハッピーな歌がほとんどない。良い時代は過ぎ去ってしまったし、可愛い彼女にはふられてしまったし、虹にはヒゲがはえているし、世の中は悲しみと苦しみがあふれて、たいへん住み心地が悪い。人生は寒くて冷たくて、地中海とかの暖かいところにあこがれるけれども、地中海にいってみたところでどうもしっくりこない。Creamにそんな歌が多いのは、Creamの人たちが寒くて冷たいイギリスで生まれ育ったからなのかしら。戦後に子ども時代を過ごしたというのも関係しているのかもしれない。