ゴールデン・ウイークはほんと楽しかったなあ!
できたばかりの京都水族館にも行ったし、バーベキューにも行ったし、ライブを聴きにも行ったし。でもやっぱり一番印象深いのは、天気のいい上賀茂神社で見たくらべ馬だ。平清盛みたな衣装を着けた人が馬に乗り、赤組と白組とで走りくらべをするのがくらべ馬だ。毎年やっているらしいけど、僕は今年初めてくらべ馬を見た。
上賀茂神社には世界中からこのくらべ馬を見るために観光客がやってくるので、神主さん(?)はくらべ馬の説明を日本語と英語の両方でする。この英語があまりに流暢なので、きいている僕はうらやましいような悔しいような、またあこがれるような気持ちになり、もう馬なんて見るのをやめてすぐにでも家に走って帰り、押し入れの奥につっこんである英語の教材をとりだして英語の勉強に没頭したくなるような、そんないても立ってもいられない気持ちで歯ぎしりしながら、足踏みしながら、それでも馬が走り出せばその力強さと馬の近くで感じる予想以上の足の速さに目はホチキス止めになり、結局最後の馬が走り終わっても上賀茂神社から去り難い気持ちで、芝生の上にビニールシートを敷いてお茶を飲み、パンを食べ、寝転んで五月の新緑を見上げて、そうするころには英語の勉強などたいした問題ではなくなっていて、ただただ五月のさらさらした空気が気持ちいい。
平清盛の騎手は僕よりも年下なのだろうと思うけれど、馬から降りたこの騎手が歩いているのを見上げる僕は小学生の頃に近所のたよりになるお兄さんを見上げていた目になっている。僕の目が見ている騎手は僕よりも1メートルは背が高い。肩幅が広く、胸は鳩胸で、眉毛は黒く濃く目の上に飛び出している。日焼けした顔に汗と油がまんべんなく広がり光っている。僕にはこの騎手が平安時代からやって来た人にしか見えない。だから、騎手が21世紀の洋服を着てベビーカーを押している女の人としゃべっているのを見ると、言葉が通じるのだろうかと心配する気持ちすらわいて来る。
走り終わった騎手たちが台の上に並んで記念写真を撮っているその背中を見ていると、平安時代の人がちょっとだけ21世紀にやってきた記念に写真をとり、このあとちょっとだけ21世紀を観光してまた平安時代に帰っていくのだ、あの人たちの目には21世紀の世界はどのように見えているのか、と知らず知らずのうちにあたりを見回す僕の目も平安時代の人の目になっている。21世紀というのは、でも、木がはえて、川が流れて、馬がいて、神社があって、この景色のどこが平安時代と変わっているというのか!

5月4日に聴きにいったライブは散髪屋さんでの飲み会で知り合った寺田君のライブ。寺田君はひとりでYoji & His Ghost Bandというバンドをやっている。なんかこの日寺田君は緊張しているのか、すこし居心地悪げに演奏しているふうに見えたけど、気のせいかしら。
タイバンで出ていた丸尾丸子さんのバンドが聴けて嬉しい。丸尾さんのライブを前回見たのはいつだったか? そう思ってこのブログ内を検索してみたら、2008年の10月だった。このときのライブは、丸尾さんとパーカッションの人と二人だったんだけど、今回の丸尾さんはバンドになっていた。