ヘソミ坂に塩をまく

 僕は毎朝、妻に借りているリトルカブに乗って、ヘソミ坂を下って通勤しているのだけど、今日はこのヘソミ坂がツルツルに凍っていて、坂の途中でこけてしまい、そうするともうバイクを起こすのも難しく、いや、バイクどころか歩くこともむずかしく、大変な目にあった。ヘソミ坂は京都でいちばん急な坂で、バイクで下るときには自分のヘソをのぞき込むような姿勢になる、という坂。なんとかなるだろうと甘く見てたのがいけなかった。僕の他にも軽トラのおっちゃんや原チャのお兄さんが立ち往生している。もう我々は職場に行くことも家に帰ることもできないんですねと、ゴキブリホイホイにつかまったゴキブリのような気分。つるつる滑りながらもなんとか歩いて坂を上り、道ばたにつんであった塩の袋をやぶいて道にまくと、おもしろいほど氷が溶ける。3人で手分けして塩をまいて、なんとか生還した。いや、あぶないところだった。こけたところにクルマが滑って来たら俺は今こうしてストーブの前でブログなんか書くどころの話じゃなかったんだから。次からはあらかじめ塩をまいて氷を溶かしてから坂をおりよう。いや、無理して出勤なんてするもんじゃないんだ。やっぱし仕事よりも命の方が大事だし。

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 年末は俺すげえベースうまくなったなと思っていたのに新年になってみるとやけに下手になっていて愕然とする。どういうことなのか。いや、たぶん正月休みが終わってしまったことがけっこうショックで、それがからだと精神に影響しているのではないか。
 12月27日の仕事納めの金曜日には、ああ明日から9連休だ、もう来年のことなんて知ったこっちゃない、来年なんて(仕事はじめなんて)きっと来ないのだろう、もうこれから一生まいにち朝から晩まで娘の顔をみて過ごすんだ俺は、みたいな感じで天にも昇る解放感を味わっていたのだけれど、ふと気がつくと9連休などはるか昔に終わってしまっていたのだった。あれ? 俺はほんとうに9連休をすごしたんだっけか? 妻の実家で紅白歌合戦をみた記憶はなんとなくある。新年会もたしかにやったはずだ。だのに、今になってみると紅白や新年会がマボロシかなにかだったみたいな、やけにあやふやな気持ちで新年会の写真を見返してみたり。俺はたしかにここにいたよな。鍋も食べたしぼうだらも食べたはずだよな。それにしてもどうして俺は今この新年会にいないのか? どうして今は1月10日なのか? と、なんだかボケ老人になったような気分。

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 バンドのリーダーの寺田君がブログで「写真で辿るyoji & his ghost band、2013年の軌跡」というのをやっている。我々のかっこいい写真が見放題。その他の短編ズもちらほらと写っている。たとえばこの一枚。

 勝手に転載しちゃうけど、寺田君なら許してくれるにちがいない。
 我々のバンドのかっこいい写真をもっと見たいひとはここをクリックしてください。
 それにしても2013年はいろんなミュージシャンに会ったものだったなあ、そういえば去年の3月、寺田君はヒゲをはやしていたんだっけなあ。となつかしい。

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 今日、妻と娘は保育園の入園希望の面接へ行って来た。まかせっきりですいません。区役所は保育園の入園希望の人たちでものすごく混んでいたという。うちの子は希望の保育園に入れるのかしら。