熱が40度も出ましたが、体温計の故障かもしれませんよ

俺はいつからこんなに弱い人間になってしまったのか! 五反田団をみに行った次の日から夏風邪でダウン。妻は日曜の夕方に家族三人で西院ミュージックフェスティバルに行くことを楽しみにしていたというのに。だのに私は寝込んでいて、だからしかたなく、娘と二人で聴きに行ったら、屋台とか出ていて羊肉のなんかすごくうまそうなやつとか売ってて、まあちょっと高かったけど、しかし私がそこにいたら、お祭りだしたまにはいいよね、なんて言って羊肉を買い、あとどこかで生ビールとかも売ってるかもしれないから生ビールも買い、酔っぱらっていい気持ちで音楽を聴いていたに違いないのに、家でうんうん唸っている私のことがちらちらと頭に浮かんで、妻は心の底から音楽を楽しむことができない。料理、洗濯、娘の入浴、町内会の組長の仕事、明日の保育園の用意、などを普段は二人で分担していて、それでも部屋は散らかり放題、洗濯物は畳みきれずに山になっているというのに、一人が寝込んでしまえば寝込まずにいるもう一人の負担は倍に増える。いや、寝込んでいる人の看病もあるのだから倍以上だ。冬用のあたたかい枕カバーを夏用の麻の枕カバーに変えなければ、と思いつつふと気がついてみればもう夏も終わろうとしている。いや、まだ終わらないぞ。もうちょっとだけ続くぞ、だったら今からだって遅くはない。せっかく仕事を休んで家にいるのだ。「熱があるから」なんて言い訳を言ってぐだぐだと寝ているばかりいてはらちがあかない。押し入れから枕カバーを出しさえすればいいのだ、いや、出してしまえばこっちのものなんだ! 勢いに乗って枕から冬用のカバーをひっぺがすこともできるし、冬用のカバーをひっぺがしてしまえばあとはもう夏用のカバーをつけるだけなのだ。そうすれば毎晩「頭が暑い!」「耳が暑い!」「首が、うなじが暑い! 焼けるようだ!」とうなされずにすむはずじゃないか、いや、枕だと思って頭をのせていたこれは、ほかほかと湯気のたつ娘の紙オムツだった! しまった、どうりで暑かったわけだ! しかしそんなことを言っている間にすぐに涼しくなる、気がつけばスーパーマーケットにクリスマスの飾りが出ている、ああ、今年ももう終わりか、特に何も進展がなかった1年だったな、いや、今年は娘の1歳の誕生日を祝ったじゃないか、それだけでもたいしたものだ、娘は8月28日で1歳になる、1歳を目前に控えたお盆に群馬の富岡の私の両親の家に娘は行くことになっている、もちろん娘の父母である私と私の妻も一緒にだ。今までの帰省はせいぜい二泊するくらいだったが、今回は三泊四日、富岡製糸にはもう行かない、人が多くて身動きが取れないに違いないのだから。いつのときの帰省でも、我々は京都へ戻る当日に祖母が一人で住む家に顔を出し、小一時間お茶を飲む、ということをして来たのだが、祖母はいつも「きのう来るかと思って待ってたんだよ」なんて言って、ご飯は食べたのか? と菜っ葉だの煮物だのを出してくれるんだ。こんど帰ったらついでに顔を出すようなまねをせず、一緒にゆっくり食事をしたい。祖母の作った混ぜご飯が食べたい! 子供のころ祖母の家で食べたうどんがうまかったからもう一度食べたい! 五反田団はまやちゃんの演じる西田様が気が違っていてすごかった! 電車が暑かったからって言ってスイートチリソースを飲んじゃったとか、かた焼きそばにお酢をひと瓶かけちゃったとか。いるいる、そういう人いるいる!