火事が来る

今朝の夢。

祖父母が住んでいた曽木の家にわたしは住んでいる。祖父母から譲り受けたのだったか。祖父母はすでに亡くなった。ここに住んでいるのはわたしだけではない。わたしの弟も妹も母も父も一緒に住んでいるらしい。親戚一同もどうやら一緒に住んでいる。ということはこの家を譲り受けたのはわたしではなかったということか。親戚一同が集まってここで合宿のようなことをしていただけだったのか。雷がひどい。ずっと鳴りっぱなしだ。窓の外をみると道路を挟んだ向かい側の山に一本の雷の筋がビリビリと光っている。さっきからずっとあの山に落ち続けている。山が燃え始めたようだ。ここも避難しなくてはいけなくなるかもしれない。とりあえず大事なものを集めていつでも逃げ出せるように準備をしよう。しかしいざとなると大事なものが何なのかがわからない。一度も読んだことのない詩人の詩集(箱に入ったハードカバー)なんかを持ってみたり。とりあえずはまだ逃げなくても大丈夫だ。親戚一同と広い部屋に集まってダラダラと過ごす。ダラダラしつつも、わたしはこの家を出て行くときのために窓に鍵をかけて回ったりする。みんな座ってゆっくりおしゃべりなんかしてるもんだから、わたしだけが戸締りをして回っている。どうも手持ち無沙汰だ。日記を書こう。みんながいる部屋に行き、日記帳にシャープペンで日記を書こうとする。いとこのみどちゃんが来て何かしゃべる。みどちゃんはまだ子供だ、わたしも子供であるらしい。さあ、いよいよ火事が広がってきた、わたし達も逃げよう。親戚一同がぞろぞろのろのろと曽木の家を出て、おじさんが玄関の大きなシャッターを下ろして鍵をかけ、わたしたちは曽木の家の北側を流れる川の対岸に避難した。ここまでくれば火はやってこない。破棄された電車の車両みたいなものがとりあえずの避難場所だ。しかしわたしは必要のない本を持って逃げてきてしまったものだなあ。もっと大事な本が他にあったのに。あの本は絶対に焼かれたくない、火事が曽木の家にまで来ないといいんだがなあ、と思う。