今年は中国語を勉強しよう

 今年は中国語の勉強をうんとする年にしよう。
 大学生の時、僕は第二外国語に中国語を選んで4年間勉強したんだけど、なんとか単位だけとれればいいやという気合いの入っていないテキトウな勉強だったので、10年たった今となってはすっかり全部忘れてしまっている。
 大学1年生の時に中国語を教わった先生はクルプスカヤにそっくりな人だった。クルプスカヤの写真がないかと思ってウィキペディアとかを見てみたら、若い頃の美人の写真しかのってなかったんだけど、僕が中国語を教わったその先生は晩年のクルプスカヤに似ていて、僕がいつか写真でみた晩年のクルプスカヤは、若い頃のしゅっとした美人とはまるで別人で、まるまると太って丸めがねをかけたタコ焼きみたいな丸い人だった。加山雄三エリック・クラプトンも、若い頃の写真とか映像とかを見るとすごい男前で、今あんなにおっさんになっちゃってるのと比べるとほんとにまるで別人で、人間は歳をとると変わっちゃうものなんだなあとびっくりする。
 クルプスカヤ似の先生に教えてもらったことはあらかた忘れてしまったのだけれど、ひとつ今でもまだ覚えているのは「我孫子」というのは中国語では「馬鹿野郎」の意味なのだと教えてもらったこと。私の孫や子どもというものは私に比べたらすごい年下で、年下ということはまだケツが青いということで、だから相手に向かって「我孫子」と言うと、その相手をすごい馬鹿にしてることになるのだという。だから、我孫子行きの電車がホームに入ってくるところを中国人が見たらさぞびっくりすることだろう、と先生は言った。
「だって『馬鹿野郎』って書いてある電車がゴーッてこっちに向かって来るんだから」と先生は言ったんだけど、その「ゴーッ」という音が口蓋の奥の方を振るわせるような独特な音で、僕はその「ゴーッ」という音に「中国語をやっている人は擬音語の発音の仕方まで中国風なのだな」と感心したのを、10年以上たった今でも忘れずに覚えている。
 なんで今年は中国語を勉強する年にするのかというと、dearbananaさんのウェブ・サイトに書いてあることを読んでみたいと思うから。

この人がdearbananaさん。