「場所と思い出」をみた

今日は「むつかしいことばの会」の演劇をみにいった。
別役実の演劇を上演したのだけれども、ぎりぎりと追いつめられて行く感じがおかしくもあり、おかしいのだけれども同時に居心地の悪い感じもあって、笑いながら同時におっかなくなるという演劇だった。おっかないといっても殺人がおこるとかじゃなくて、ときどき普通の生活のなかで感じる「あれ? あの人の言ってることはちょっとおっかしいな」という感じをどんどんヤバい方へヤバい方へと増幅させて言った先にあるおっかなさを見せつけられるような感じのおっかなさで、それはやっぱりおかしくて「あんなのありえへん」とケラケラ笑っちゃうんだけれども、それでもやっぱり笑ってばかりもいられずおっかなくなる。
あんな気持ちは劇場に出かけて演劇を見るのでなければなかなか感じることができなくて、あの劇場のぎゅっと縮こまったような空間で隣の人と(あるいは出演している俳優の人と)肩をくっつけるようにして演劇を見ることで体験できることなのかもしれず、そうするとあれほど劇場の空間が演劇作品にうまいこと影響を与えているという例もあまりないかもしれなくて、劇場と作品とを絶妙に関係づける演出家の手腕には感服する。
この演劇をみると普段接しているちょっと言動に飛躍のある近所のおばちゃんのことを明日からちょっと違った目で見られるようになるかもしれず、そうすると普段みている世の中がこれからちょっと違ってみえるようになるかもしれないと思わなくもない。
この演劇は16日までやっているようです。まだ空席があるようなので、見られる人はみておいてソンはないと思います。
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