早起きは三文の得だぞ

 今週の初めくらいから急に寒くなったので朝はなかなかふとんから出られず、朝の散歩もサボりがちになっていたのだけれども、今日は眼を覚ましてみると寒さが少しましなような気がして、というよりもむしろ今朝はいつもよりだいぶ温かいようで、だからパッと起きてお米を炊飯器にセットすると、僕は久しぶりの散歩に出かけたのだった。僕の住むところから大きな通りを北に渡って山のふもとのお寺の方に行くと、広くて門も立派なお金持ちの家がずらずらと並んでいる地域があって、今日はそのあたりを重点的に散歩した。
 それにしても早起きは三文の得というのは本当である。お金持ちの家の間を通り抜けて山際の古っぽいアパートの前を通ると、小学館の「オールカラー版世界の童話」が何十冊とヒモで束ねて置かれているのを見つけた。そのあたりでは今日が紙ゴミの日なのか、そんなことはわからないけれども、いかにもゴミですよ、という感じで雑然と置かれている。僕が何冊か持って帰ってもきっと誰も気にしないだろうという感じである。本当は全部持って帰りたい、などとも思ったのだけれども、それではあまりに欲張りすぎるし、だいいち重たくてとても運べない。と、いうわけで。『カロリーヌのせかいのたび』と、『カロリーヌのぼうけん』の二冊だけ貰って帰ってきた。「オールカラー版世界の童話」にはカロリーヌの本が確か四冊集録されているはずなのだけれども、そこにあったのはこの二冊だけだった。

 これがすげえレアなんだよなーと思い、アマゾンで調べてみたら、マーケットプレイス『カロリーヌのせかいのたび』に四万円、『カロリーヌのぼうけん』に三万五千円の値段がつけられていた。まさか絵本一冊をこんな値段で買う人がいるとは思えないけれども。そして僕も売るつもりはないんだけど。
 これからもできるだけ朝の散歩は続けたい。