オムトンを聴きにいった

 ぼくはこないだの金曜日にS子さんといっしょにオムトンのライブを聴きに行った。
 ぼくはS子さんが遊びに来たときとか一人でいるときとかに、最近ずっとオムトンの『3』を聴いていて、「櫻ノニ」の裏打ちのピアノの音がすごくいいと思い、それで何度も何度も聴いていた。だからぼくは「オムトンとはこういう音楽だ」という知識というか予想というかがあったんだけど、でもライブでオムトンを聴いたらCDよりももっと全然迫力があって、たまげた。ぼくはあんなにバスドラがどんどんいっているんだなあ! ぼくはハイハットのちーつつ、つちーつ、という音がたまらん! ぼくはボワーッとどっか遠くから届いて来るようなマリンバの音が耳じゃなくて内蔵に直に響いてくるみたいで、ものすごい気持ち良さ!
 それにぼくはなんといってもわかめーるの笑顔がいい。たぶん会場にはオムトンをしらない人たちがいっぱいいて、その人たちはこれからオムトンがどんな音楽を演奏するのかしらと固唾をのんで見守っているわけだけど、そんな中でわかめーるのあの菩薩のようなほほ笑み。観音様のような笑い顔。ぼくはああ、あんなところに観音様がいらっしゃる! とか思って、もうそれだけでなんだか感動してしまった。

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 さて、またお正月に東京に行くことになった。ノーバディーズは4人組なのだけれども、もしかしたらどうも今回は3人だけでのライブ演奏になるっぽい。
 ノーバディーズのリーダーが作っているノーバディーズのウェブ・サイトにはこんなことが書かれている。
 no money
 no fuck
 no buddies
 どういうことか。 ぼくはこれは日本語に訳すとこういうことになるのだと思う。
 「金もない、にゃんにゃんもない、友だちもない」
 そんなノーバディーズの音楽を、お正月にどうか五反田に聴きに来てみてください。