おしりの好きなプロレタリアートの朗読を

ほんとうにいい天気だった昨日は鴨川を自転車でこいでいくのが気持ちよくて気持ちよくて。水にもぐるカモさんのおしりを「おおかわいい、おおかわいい」と横目でみつつ、そんなわたしはおしり教の信者なのかもしれない。と、僕が俺の一人称を「わたし」と書くのは、もしや結婚をしたせいなの? と、こころなしかいつもと違った文章が書けそうな、書けそうで書けなさそうな、そんな春めいた気分な気でいる。出町柳の駐輪所に自転車をほうりこんで、電車に乗って大阪までは一時間もかかり、ふだん自転車でどこにでもいけてしまう京都に住んでいると、この一時間がとても長く感じたり遠く感じたり窓から見える景色をながめたり本を読んでみたり寝たふりをしようとしてみたり寝たり。大阪にいって来たのはリーディング公演に出演するためで、演劇の舞台に立つのが(そしてせりふのある役をもらうのが)ほんとうにひさしぶりなわたしは、だけどもリーディング公演というわけで、台本をもちながら舞台に立てるという心強さで思わずにんまりと鼻歌気分で楽しく本番をやれた。今回のリーディングで始めて顔をあわせた共演者の人たちもみんなおもしろい人たちで、いやあ、演劇っていうのは、みるよりもやるほうが絶対におもしろいわ。といいたい。といいたいわたしが出演したのは平澤計七の戯曲のリーディングで、平澤さんのプロレタリア演劇が当時やろうとしていたのはアジテーションプロパガンダではなく、舞台と客席とが一体になれる空間をつくることだったのではあるまいか、というアフタートークが興味ぶかかった。と、いうわけで。昨日は終電までぐでんぐでんにビールと日本酒を飲んで、大阪から千鳥足で電車に乗り、一緒に出演した人と演劇の話をしながら楽しく京都に帰って、寝た。
そしてこれはうちの庭に咲いたさざんかの写真。