にわか原発博士と未来ちゃん

それにしても、原発はやばいな。ツイッターとか見てると、関西の原発依存率はほぼ半分とか、福島県もんじゅの炉内中継装置が原子炉内に落下して、引き上げに24回失敗して、発電も廃炉にもできない状況になっている、らしい、なんてことがいろいろ書いてある。
ちょっと前までは、オール電化ナウい! とかいってる人がいたけど、いまではもうオール電化なんてナウいどころか時代遅れもいいところ。もう、みんな貧乏になったらええねん、と思う。みんな貧乏ったらしくつつましい生活をして、あんまし電気とか使わないのがこれからのナウなのじゃないかしらねえ。と、にわか原発博士になったつもりでテレビに向かってつぶやいてみたい。

そしてぼくは赤瀬川原平の本で読んだ電球の話を思い出す。大昔は家に電気のメーターがなかった。そのころは電気を使うのもは電球くらいしかなかったから、各家庭で消費する電気の量はだいたい決まっていたんですって。だからメーターなんてなくてもよかった。電球が切れると、丘の上に建っている発電所に持って行き、あたらしい電球と取りかえてもらうのが、当時の子どもたちの役目だったという、その丘をのぼっていく子どものイメージが印象深い。あたらしい電球を大事そうに抱えて夕暮れの丘をおりてくる、そんな『三丁目の夕日』みたいな生活がこれからのナウなんじゃないか。

リーディング公演の出演料が5000円出たので、そのお金で写真集を買う。仕事帰りにちらっとよった本屋さんで手に取ってぱらぱら見たら手放せなくなってそのままレジに直行。未来ちゃんが鼻水だらだら流しながら泣いてる写真とか。パンを片手につららから落ちて来る水を飲んでる写真とか。ムギワラをきゅっと抱き締めて寒そうな空を見上げて笑ってる写真とか。ああ、こんな未来ちゃんのようなのびのびした生活を。