恐竜博士、虫博士

 小学校の図書室でのボランティアもきのうで三回目となり、だいぶ慣れて来た。「いまの子どもは本を読まないので困ります!」というのは、あれはウソじゃないかしら。この小学校の子どもたちはどうやら毎日のように図書室にきて、とっかえひっかえ本を借りて行くらしい。恐竜好きの子は、図書室にある恐竜の本をみんな読んでしまう勢いだし、虫好きの子は「うわーっ! これおんもしろそー!」とニコニコしながら蜘蛛の本を借りて行ったりする。「蜘蛛は英語でスパイダー」とわたしに教えてくれたりして、「へー! よく知ってるじゃんかさ」とかいってコニュニュケーション(スペルあってるかしら?)をとるのが楽しい。
 わたしは教員の免許を持っているので、今年は教員採用試験を受けてみようかしらと思っているのだけれども、教員としてガッツリ子どもと、親と、同僚と、教育委員会と、国と、関わって生きて行くのはしんどいかもな、と思わなくもなくて、図書室のおっさんというちょっと外れたポジションで子どもとつきあうくらいがちょうどいいかもしれまい、とか思わなくもない。そんで、放課後は適当に図書室の整理とかしてから宿直室にひきあげ、鬼殺しをいっぱいやりながら演劇の台本を書く。というそんな人生が、棚の上からぼたもちのように落ちて来ないかしら。