小学生のお母さんには変な本を紹介すること

久しぶりに貸出しのボランティアをしに行った小学校の図書室で、いっしょにボランティアをしているKさんに「夏休み中なにかおもしろい本よみましたか?」ときかれて、とっさに何も思いつかず、「俺、こないだまで何読んでたんだっけ?」と5秒くらい絶句してしまい、それから「松尾スズキの『宗教が往く』がおもしろかったですよ」と答えている、そんな自分を見た。まだ上巻の半分くらいまでしか読んでないのだけど。というか、こんなにもシモネタ満載の小説を紹介してしまって大丈夫なのかしら。
「スズキって、苗字みたいな名前ですね」
「テレビとかも出てたりするんですけど」
「ハードカバーですか」
「最近文庫になったんですけど」
「図書館って、文庫あんまりないですよね」
「あー、そうですね」
「じゃあ、図書館で探してみますね」
ということで、もしかしたら来週ボランティアに行ったとたんに、わたしはKさんに白い目で見られるかもしれない。「あんなシモネタ満載の本を紹介して、この人は何を考えているのか」と。Kさんはこの学区の小学生の保護者。