京都に来たらまずマンガミュージアム


東京在住のTチーさんが、アイホールダンスコレクションvol.66 山下残『庭みたいなもの』に出演するために伊丹に来ているというわけで、久しぶりに会ってランチを食べようということになり、京都まで呼び出して烏丸今出川付近のなんとかというお店で春巻きのランチセットを食べたのだった。京都の古い家をカフェに改造しました、という感じのお店で、店内や庭に植物がいろいろあったり、BGMが

Apple Of Her Eye りんごの子守唄

Apple Of Her Eye りんごの子守唄

みたいな感じのおしゃれ風。
「ヒダさんてばさすがいい店知ってますね。京都はいいなあ」と、女子にウケそうなお店をぼくが知っているのは、しかしぼくのセンスではなく、これはカフェ好きのぼくの妻に教えてもらったお店なのだった。その証拠に一夜明けて翌日日記を書くぼくはそのお店の名前を忘れてしまっている。たしか樹という字がついていたような…。
しかしそんなあやふやでうろ覚え的な雰囲気はおくびにも出さず、さも自分の行きつけのおしゃれ風カフェであるという涼しい顔をして、ランチのあとのコーヒーもそのお店で飲み、2時間近くTチーと話をしたのだった。こんだけ長く誰かとふたりで話をしたのは久しぶりじゃないかしら、と思う。もちろん妻とは毎日顔をあわせていろいろしゃべっているけど、妻以外で誰か、となると、職場の人ともそれほどガッツリとしゃべるわけじゃないし、職場以外でいくところと言えば北大路の大垣書店くらいのもので、書店に行っても特に店員さんと話すわけではもちろんないし。
2時から仕事だったぼくはTチーに京都国際マンガミュージアムに行ったらおもしろいヨ、と紹介して「さようならー」と手をふって別れた。京都に遊びに来る人にはまず一番にマンガミュージアムを紹介する、というのが最近の我が家の流行で、こないだ泊まりにきた妹にもマンガミュージアムに行ってもらってたいへん喜ばれたのだった。京都に来たらまずマンガミュージアム。ぼくもいつか行ってみたい。
さて、Tチーが出演する『庭みたいなもの』の公演を、ぼくは観に行くことができないのだけれども、それは結婚記念旅行で屋久島に行くからで、9月9日から五日間。気がつけば実はもう屋久島行きが目前にせまっている。なんだか準備があまり進んでいない気がするのは気のせいか。とりあえず親戚の人たちにもらった結婚祝いのお金で登山靴と雨合羽とリュックサックは買ってあるので、あと準備するものと言えば屋久島の情報とか知識とかだろうか。と思い、大学図書館で借りた宮本常一の『屋久島民俗誌』を読んでみる。

元来、この島は流人島の一つであり、また薩摩藩の政策もあって、三〇〇年来島民が他に出ることをほとんど禁じられ、他からも流人以外は藩の役人が来るくらいのもので、つい隣の種子島とさえ交通が厳禁されていた。

なんだか知らないことだらけだな。
あとは原発の本を読んだり。これも知らなかったことだらけ。

一月十九日には、二台の復水器の”漏れ”が発見され、原子炉の運転は続けたまま、復水器のなかへ労働者を入れ、サランラップを使って、補修工事を強行していたことが、私たちの調査で明らかになった。

柴野徹夫『原発のある風景』。
サランラップを使うのか、補修工事には。