こないだの啓蟄の日の翌日の日、日差しの暖かい日、しばらく顔をあわせていなかった近所のたぬさん(猫)にひさしぶりで会った。出勤しようと家を出ると日なたでたぬさんが前足をそろえて座り、目を細めてこちらを見ていた。ああ、もう春がくるのだなと思う。

ジュンコちゃんが姪のあーちゃんを連れて遊びに来てくれた。あーちゃんが庭の「はざんか」をみて「はざんかはざんか咲いたみちー」と嬉しそうに歌う様がとてもかわいらしい。僕も嬉しくなって「はざんか」の枝を切ってあーちゃんにあげ、その後庭でかくれんぼをする。「ここに隠れて」とあーちゃんに指示された場所に僕が隠れると、あーちゃんは十数えた後で僕のそばまでくるのだが、なかなか僕を見つけない。「ああ、みつかる。もう、みつかるぞ」と、なぜかヒヤヒヤして、ああ、こういうスリリングな気持ちがかくれんぼの醍醐味なのだなと、子どもに帰ったようだ。かくれんぼって、見つからないように隠れる遊びじゃなくて、見つかりそうになるスリスを楽しむ遊びであり、また見つけてもらって喜ぶ遊びなんだな。

散髪屋さんで知り合った寺田くんがバンドメンバーを募集しているという噂をきいたので、「俺、ベースやりたいんだよな」とぼそっとつぶやいたところ、あれよあれよという間に今度のライブに出演することが決まった。3月25日(月)にUrBANGUILDで演奏します。お時間ある方はぜひひとつ。寺田君はこんな人↓。

ベースの弦を10年以上ぶりで張り替えた。ベースをやることになると、音楽の聞き方が急に変わってくる。テレビから聞こえてくる音楽でも、ベースラインばかりが気になる。「ベースマガジン」を立ち読みしてみたり、YouTubeでルイズルイス加部の演奏を探して聴いてみたり、そんなことをしていると書きかけの戯曲がちっとも進まない。

映画「横道世之介」を妻と見る。ハンバーガーショップのウェイトレス役で出演しているジュンコちゃんを目撃する。もっと無愛想な、シカメッツラな演技をしているのかなと想像していたけど、少しぼーっとした店員さん、という感じでおもしろかった。
映画を見ながら、東京で一人暮らしを始めた18歳の頃を思い出した。