雨の日曜日、Bボーイになりたいという願い

 今夜は雨が降っていてお前の木琴が聴けない。
 一日家にいて掃除をしようといいながら何もせず、保育園の書類を書こうといいながら「明日明日」といって明日にまわし(明日できることは明日やろう、というのが僕のモットーだから)、歌を歌ったり、チョコバイを食べたり、娘の写真を撮ったり、オムツを替えたり、そんなことをしていて気がつけばもう夕方。今日は文化の日なのですか? 文化の日っぽいことは特にしなかった。

 その他の短編ズの「Bボーイ・バラード」をもう一度ききたくてユーチューブを探してみるが、みつからない。
 ぜんぜんヒップホップっぽさを感じさせないその他の短編ズがヒップホップをやろうとしている、という意外性がおもしろくて、ひょっとしてBボーイをばかにしているの? とはじめはちょっと思うんだけど、でも聴いているとこの歌はかなわない願いを歌った歌なんだなあと気がついて、それでなんだかジーンとする。かなわない願いといっても、「来世はBボーイになりたい」という冗談みたいな願いだから、とにかくまず笑っちゃうんだけど、でも本当のことっていうのはきっと冗談とか嘘とかフィクションとかにまぎらせて語られるはずで、だから笑いながらもそこになにか切実さを感じて聴き入ってしまう。
 さらさ花遊小路ではこの曲を2度演奏して、2度目は僕らのバンドのリーダーの寺田君が声とキーボードで参加してたけど、寺田君が自信のなさげなキーボードの音でその他の短編ズに合わせて行く感じがとてもよかった。かなわなさ倍増、みたいな感じで。
 その他の短編ズのライブ映像はいくつかyoutubeでみることができる。それで福岡のライブハウスでのライブ映像を見てみたらジョン・ゾーンみたいな音を出してたりして、この人たちは一見おとなしいフォーク・デュオ風の風貌だけど、実はかなりただものじゃない人たちなんだなあ、とまた唸らせられた。

人形劇(?)なんかもやっているらしい! こういう風に「音楽」だとか「演劇」だとかのカテゴリーにとらわれず、自分がおもしろいと思うことをなんでもやっちゃってる人が日本のどこかで活動しているんだから、俺だって負けてないで次の公演の戯曲を書かなくちゃ、と思う。
 次の戯曲はなんとなく「恬淡のどちんこ(仮題)」という題名が頭に浮かんでいる。一応サイバーパンク風の話になる予定。