パーティー

noise-poitrine2014-03-29

 木曜日、OMS戯曲賞の本の出版記念パーティーで大阪まで行って来た。僕は京都で劇作をしているんだけど、上演は東京の「甘もの会」がしてくれているので、大阪でパーティーをしても関係者がほとんど来られない。一人だけ、演出家の深見さんが新幹線で駆けつけてくれた。深見さんは金沢のおみやげです、とおきあがりこぼしをくれた。いいっすね、この朱色がいいっすね。
 ビールとワインが飲み放題のパーティーで、これはどうしても飲んでおかないと、とはりきって飲む。席は自由席で料理はバイギング、食べ放題。一番料理に近い席をとり、お皿を五枚も六枚も使い料理を山盛りとって来る。新聞社の人、劇場の人と同席だった。名刺をいっぱいもらう。劇場の人が、劇場でモーツァルトの『魔笛』をやったんですよ、出演者全員スーツでやったんですよ、という話をしてくれて、『魔笛』の話でちょっと盛り上がる。僕はだいぶお酒が回っていたので、「『魔笛』はね、『ドラクエ』みたいな話なんですよ」「パナップの歌は『魔笛』に出て来る歌なんですよ」などと劇場の人に逆に説明をしたりして。

 受賞作品の公演DVDを3分くらいずつスクリーンにうつしたあと、作者の挨拶。へべれけの千鳥足で前に出て、それで何をしゃべったのか良く覚えていない。
 今日は絶対に2次会に行かずに帰るぞ、なぜなら明日は朝から仕事なのだからな、と固く決心して家を出て来たはずなのに、お酒を飲んでしまえばそんな決心はどこかへ行ってしまい、2次会の居酒屋へ。そこでも名刺をいっぱいもらう。編集者とか劇場の人とか劇作家とか俳優の人とかガス会社の人とか、いろんな人がいて、いろんな話をぺらぺらとしゃべったのだけど、ほとんど覚えていない。佐村河内守っていいよね、という話をしたのはなんとなく覚えている。
 2次会は2時でおひらきになる。当然朝までやるんだろうと思っていた僕は行き場を失う。もう終電もない、大阪でほうりだされたって帰れない。ホテルに泊まるといっても予約してないし、俺どうしたらいいんですか、とさも困ったげな顔をしていたら、編集の小堀さんが「ヒダ、おまえこれでなんとかしろ。俺からのお祝いだ」と1万円札をくれた。え、まじっすか、いいんですか? 「こういうのは編集者の役目なんだからよ。な、困ったときは俺に言えよ、なんとかすっからよ」賞をもらうとこういうふうに編集者の人とかとの関係ができるんだなあ、よかったなあ、と一万円を握りしめて喜ぶ。
 深見さんが予約しているというホテルに一緒に行く。しかしあき部屋はもないという。ホテルの夜勤のお姉さんと深見さんとでネットを使ったりして、近くのネットカフェを探してくれる。深見さんにネットカフェまで送ってもらう。なにからなにまですみません。
 ネットカフェというところに初めて泊まった。横になれる部屋、というのがちゃんとある。1畳くらいの広さで黒い囲いのなかに黒いパソコンと黒いテレビと黒い座布団があるだけ。床も天井も全部真っ黒で、ものすごい閉塞感。しきりごしに隣の人の寝息が聞こえる。座布団を枕にして寝た。こんなところに毎日寝泊まりしてたら生きるのがいやになっちゃうだろうな。
 翌朝は6時半に目をさまして、電車を乗り継ぎ京都に帰る。どうもまだアルコールが残っているから、今日は仕事は休もうかしらね、と玄関のドアを開けると妻がお弁当をつくって待っていてくれた。ので、お弁当を持って出勤。夕方までずっと頭痛がして気持ち悪かった。
 あとで財布を見たらわっしょいハウスのステッカーが入っていた。深見さんにもらったんだったっけ。楽器に貼ろう。