1〜10

いつの間にか真夏になっていた。最近の出来事をいくつか書いてみる。

1、こないだ買ったクーラーは寝室にとりつけてもらったのだったが、ふとんを3枚並べれば部屋がいっぱいになってしまうこの4畳半で、晩ご飯のあと、ふとんの上でごろごろと転がって涼むのが我が家の最近の楽しみとなっている。アラウンド・フォーティーの子育てスタイルはこれだね、体力も落ちて来たことだし、寝転がって子育てするのが良いんだね、と。暑い部屋ではむずがって、泣いてあせもをかきむしる娘だが、涼しい部屋に入れば両親が寝転がっていてもごきげんで、にこにことおもちゃで遊んだりしている。寝転がりつつも、娘をくすぐったり、いないいないばあをしたり、寝ながらできる遊びで娘とコミュニケーションをとる、というスタイル。

2、娘は血液検査の結果、卵アレルギーであることが判明した。しかし成長するにしたがってアレルギーが消える人もいる、という話なので、6年くらいかけてちょっとずつ卵に慣れさせていこう、という作戦を妻とたてる。

3、子乗せ自転車を買った。3月ころから探し始めて、買うのに4ヶ月ほどかかった。京都中のいろんな自転車屋さんに行ってお店の人の話を聞きまくり、ネットでもいろいろ探して、ああでもないこうでもないと悩み、もしかしたらこのまま悩み続けて一生子乗せ自転車を買うことができない人生をあゆむのかもしれない、と不安になったりもしたけれど、それでもどうにか手に入れることができた。初めてチャイルドシートに乗った娘は不安そうで、いや、不安そうというよりも不機嫌で、むすっとした顔をしてちっとも笑わない。ヘルメットをしきりに押しのけようとしたりして。しかし賀茂川で小一時間自転車の練習をしているうちに、だんだん自転車にも慣れ、リラックスしてきたようで、まわりの景色がつぎつぎに後ろへ流れて行くのがおもしろくなってきた。河原で鳩が地面をつついているのを見ればそちらに手をのばしたり。

4、去年買ったベビーカーはお尻のシートの通気性がバツグン、ということだったのだけど、実は通気性がぜんぜんないシートだったのだよ、ということが消費者庁かなんかの調査かなんかで判明したらしく、無料で新しいベビーカーに交換してもらえるらしい、ということなので、交換してもらう。新しいベビーカーが届くが、子乗せ自転車を買った今となってはあまり使う機会がない。届いたベビーカーは玄関のすみっこにおいたままで、まだ一度も娘を乗せていない。こんど植物園に行くときにでも。

5、つんじと大阪に古本を買いに行く。お昼ごはんに立ち飲み屋で串を食べながらビールを飲んだらだいぶよっぱらって、古本屋をのぞく合間に「休憩」と称して飲み屋に入り、結局古本は昔の東京の航空写真の写真集(200円)を一冊買っただけ。この日は交通費と飲み代で5〜6000円使ったのだったが、それだけあればいい加減古本が買えたかもしれないぞ、と家に帰って来て気がつく。

6、24日はアバンギルドでライブだったのだが、伊東さんの蛍光灯の演奏がなんといってもおもしろかった。ブギャーというノイズなのだけど、パーカッションの人がちゃんとリズムをならしているので聴きやすい、というか、聴いていてからだがうごいちゃうような演奏だった。

二十代のころの僕だったら、こんなうるさい騒音は音楽じゃない! とか言って途中で帰っちゃっていたかもしれない。けど、歳をとるにしたがって、いろんな演奏をたのしめるようになってきた。ボブ・ディランが「ああ、あのときのおれは年寄りだった、今のおれの方があのときよりも若いや」と歌っていたけど、ちょうどそんな感じ。「こうあるべきだ、こうじゃなきゃいけない」と思い込んでいたのが、だんだん「なんでもありでいいんじゃないの」と思うようになってきた。

7、その他の短編ズの森脇さんが東京で個展をやってるらしい。その会場で、その他の短編ズがライブをした、というユーチューブの映像を娘が寝静まった夜中に妻と見る。

8、保育園の夏祭り。給食のカレーと給食の焼きそば、を食べる。味付けが薄味で、ああ、これなら大丈夫だ、となんとなく安心する。娘はまだ離乳食しか食べないから、カレーや焼きそばを食べるのはまだ先になると思うけど。だけど、同じクラスの(ゼロ歳児の)Aちゃんはもう夏祭りでカレーを食べさせてもらっていた。夏祭りを途中で抜けてネガポジの18周年記念ライブへ。早くから来ていた他のメンバーはリハーサルのあとでなか卯にうな丼を食べに行っていたとのこと。そうか、もうすぐ土用の丑の日か。

9、戯曲はなんとなく最後まで書けたっぽい。題名は「わたし今めまいしたわ」で行こうと思う。コンピュータおかあちゃんとインターネットの関係を、終わりちかくになってエプロン刑事が説明する、という展開になってるんだけど、この話をもう少し早く出したい。今のままだととってつけた感があるので。それにしても、なぜ死んだ人間の一生ぶんの記憶を保存する媒体がファミコンのソフトなのか、という説明が一切ないけど、もうすこし説明があったほうがいいのか、それともなんの説明もない、というのが逆に唐突すぎておもしろいのか。あとはカヤコの妹のチヒロにあんまり見せ場がないなあ、というのが気にかかる。カヤコの発話を受けるだけの人、という役割しか、今のところないみたい。美少女戦隊もち肌ガールズがもうちょっとヒーローっぽく活躍する場面も入れた方がいいのかもしれない。今のままだとただのもち肌の女の人たち、というだけになってしまっている。

10、明日で娘は11ヶ月になる。