バナナは飲み物です

 このごろは声をあげて笑うことがめっきりと少なくなってしまったなあ、と思いながら何年か前はひとりでじっと黙ってアパートの部屋にしゃがんでいたりしたこともあったのだが、それが今では声をあげて笑わない日がない。晩ご飯のあとには、ほぼ毎日、ふとんを敷いた部屋で娘と妻と三人で遊ぶ、仰向けに寝転がった私のお腹の上に娘が座り、ぴょんぴょんと飛び跳ねる、苦しい、やめてくれ、などといいながらも私はがはがはと笑ってしまう。そうして笑ってばかりいる私はめっきりパソコンの前に座る時間が減り、ツイッターやブログがだいぶおろそかになりがち。娘のことを文字に書いて記録しておかなければすぐに忘れちゃうよ、と思うのだけど、まあ、いつかの日曜日にでもまとめて書けばいいか、とか思ってそのまま書きたいと思っていたことを忘れてしまったり。
 9月に入る頃からテーブルなどにつかまりながらよちよちと歩き始めた娘は、今ではつかまるものが何もなくてもだいぶ歩けるようになって来ていて、とは言ってもゆっくりと1メートルか2メートルも歩けばひざをついて座り込んでしまうのだけど、大人が手を持ってあげれば、5、6メートルほどけっこうなスピードで走るように歩くことができるのだ。歩くことが楽しいみたいで、朝、私が眼を覚ますと、娘が私の顔をのぞき込んで笑っていて、さっそく歩きましょう、と私の手を取ろうとする、眠いよ、あと五分寝かせてくれ、といいつつも娘に引っぱられるようにしておき上がり、娘に手を引かれて台所へ行き、「まんま、まんま」と娘にせかされながら離乳食の用意をする、という日々。私が眠いときは妻が娘と台所へ。妻が眠いときは私が娘と台所へ。それにしても娘の食欲はすごい。さっちゃんはね、バナナが半分しか食べられないんだよ、というあの歌は嘘なんじゃないか。娘は離乳食やミルクをお腹に入れたあとで、バナナをまるまる一本、飲むようにして食べてしまう。カレーは飲み物だ、と言った人がかつていたが、娘にとってはバナナが飲み物のようなのだ。

 9月は週末になるともっぱら賀茂川などに出て行き、娘と一緒に歩く練習をしていた。そして明日は保育園の運動会。