黄色いハンカチ

 夜、風呂から上がってテレビをつけたらちょうど『幸福の黄色いハンカチ』が始まるところで、見始めたらおもしろくて結局最後までみちゃった。前半で武田鉄矢がつねにちょこまか動いているのがとてもよかった。ぴちぴちの緑のズボンをはいて、ぺらぺらとひっきりなしにしゃべり、柵をまたごうとしては転び、砂浜ではぴょんとダイヴしながら写真をとり、蟹をくえば下痢になり、とにかく休むまもなく動いている。桃井かおりのもごもごしたしゃべり方もよかったなあ。もごもごしゃべってたかと思うとわんわんと大声で泣きだす。70年代っていうのは、こんなふうにエネルギーが溢れ出て来るような感じの時代だったのだなあ! と嬉しくなる。後半、高倉健の回想シーンが多くなり、武田鉄矢がおとなしくなってくると急に退屈になる。退屈になるっていうか、最後の黄色のハンカチがだーっと並んでいる図に持って行こうとしているんだなー、というのしか感じられなくなっちゃって、興ざめするというか。後半になってもずーっと武田鉄矢桃井かおりがわーわー騒いでいたらもっとおもしろかったのにな、おしいな、と思う。それにしても、いくら奥さんが流産したという正当な理由があったとしても、やっぱり、酒のんでチンピラを殴り殺しちゃうというのはいかがなものか。ちょっとやりすぎじゃないか。たこ八郎をひさびさに見られたのも良かった。