何年か前に読んだ佐々木中の本の中に「情報とは命令のことだ、情報を集めることは他人から発せられた命令に服従することだ」みたいな言葉が書いてあって、影響を受けやすい僕はこれを読んで「そうか、それならば俺は他人に命令されない人生を生きよう」と、それからあんまり雑誌を読まないようにしたり、テレビを見ないようにしたり、ネットサーフィンをしないようにしたりして、5、6年そんなふうにうつむき気味に生きて来てみたら、なんだかすっかり世の中にうとい人間になっているんだった。このごろどうも人生の中で自分が選ぶものの幅が狭くなって来ている感じがあって、これはひょっとして情報を遮断して生活して来た結果なんじゃないか。たとえば休日などに妻と子供が出かけて一人で自由にできる時間ができたときに、やりたいこととか出かけたい場所とかが浮かんでこない、なんてこともあったりして、このままじゃあいけないんじゃないか。あれを買えとか、ここに行けとか、これを食べろとか、この歌を聴けとかの、他人が発する命令に無意識に従ってしまうことを警戒するあまり、自分が買いたいものとか行きたいとことか食べたいものとか聞きたい歌とかにも耳を閉ざしているっぽい感がある。ちょっとこのままじゃあ生活が狭っくるしくなってしまうんじゃあないか。俺は本当はもっといろんな情報に目を向けた方がいいんじゃないか。というわけで、今年は情報摂取の年にする。人のブログなんてぜんぜん読まなくなっちゃっているんだけど、今年はいろいろ探してみよう。毎日更新が楽しみなブログが10とか20とかあったら、それだけで生活が明るくなるんじゃないか。雑誌なんかもいろいろ買って読んでみよう。

去年はほとんど毎日ポッドキャストを聞いていた。良く聞いた番組は「行け! 世界遺産と雑学の旅」「今日も畳の目を数える。」「安住紳一郎の日曜天国」「そんない理科の時間」「そんない美術の時間」「そんなことないっしょ」「青春あるでひど」「東京ゲーム事変」「僕と、嫁さんと、息子と、ゲームと。」「ベアアタック怪奇ラジオ」など。「僕と、嫁さんと、息子と、ゲームと。」は特に僕が今子育て中であることと、子供の頃にゲームが好きだったこととで、興味深い。ヨウスケさんとアツコさんという夫婦がただ雑談してるだけの番組なのだけど、この二人の子供に対する姿勢がとにかく優しくていい。ヨウスケさんとアツコさんが子育てにゲームをとりいれていくやり方とか、8歳の子供が「死にたい」と言ったときに答える答え方とか、聞いていてしみじみと勉強になる。これから子供が生きる世界はコンピュータやらインターネットやらゲームやらがどんどん進んで行くはずで、ちょっとよそ見していると親はどんどん置いて行かれてしまう。去年はVR元年だったとか言われているけど、VRが進んでいけばビデオゲームはただの娯楽じゃなくて生活の一部になっていく。僕らの子供たちは現実とヴァーチャル・リアリティーとが混在した世界を生きることになる。
今年はとにかくコンピュータやネットワークやゲームなど、ITの勉強をしよう。

娘は歯を磨かないと虫歯になる、という話を聞いて、夜寝ている間に虫がやってきて自分の歯を食べてしまうとのだと思い込んでいる節がある。口をしっかり閉じて眠っていれば虫が入ってこないはずだとか、私が歯を磨いてしまっては虫さんが食べるものがなくて困るんじゃないかとか。