このごろ毎日寒い、今日も朝起きてみると庭にうっすらと雪が積もっている、職場に通うのに山を越えるものだから雪が降るとすごく大変で、バスだと時間がかかるし、バイクだと滑るし、自転車じゃあ無理だし。先週も月曜火曜あたりは雪で難儀したんだった。早く暖かくならないかと思うが、しかしまだ1月か。まだたっぷり一ヶ月くらいは寒い日が続くのか。
こないだの日曜日はどこへも出かけず家でごろごろして過ごした。娘はしばらく前から笑点が気に入っている、僕と娘と二人で笑点ごっこをする、僕が司会の春風亭昇太さんの役をする「みなさんこんにちは、今日は浅草の演芸ホールからお送りいたしております、まずはじめに**さんの落語をお楽しみください、**さん、どうぞ」とかなんとか言うと、娘は座布団の上に正座をし、両手をついてふかぶかとお辞儀をしてから何か話し始める、といっても落語ではない、落語っぽいような、ぜんぜん落語っぽくないような、ですます調の改まった口調で語られる短い話。
落語といえばたまたまNHKで見た「落語 the movie」というのがすごくおもしろくて、これを録画したのを娘と何度も見ている、「鎌泥棒」と「二番煎じ」。落語家のはなしに合わせて俳優が落語で語られている場面を演じる、落語家のしゃべりにあわせてちょんまげの俳優がぱくぱくと口を動かして演技する、テレビから聞こえて来る音は落語家の出す声と音と観客の笑い声だけ、テレビに映る映像はちょんまげの俳優が演じる時代劇。落語家の言いよどみとか間とかも俳優がそっくりまねて演じるのがすごくおもしろくて、娘もケラケラ笑い、もう五回くらいは繰り返して見ただろうか、去年けっこうテレビでやっていたらしいのだがぜんぜん知らなかった。
ままごともする。が、この日のままごとでは「死」という言葉が娘の口から何度も出る。お人形ちゃんのお母さんとお父さんは死んじゃったんですよ、とか。だれそれは火事で死んじゃったんですよとか、私のお父さんもお母さんも死んじゃって、とか。だが、まだ死を怖がっているようなそぶりは見せない、死についてはまだぼんやりとしか分かっていないみたい。