明日から稽古

ドラクエを買う心配をする前にもうスーパーファミコンに飽きてしまった。ひとりでゲームをしているとなんだかひどくむなしくなって、それでもう、ファミコンとかドラクエとか、どうでも良くなってしまった。

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明日から「かや子のへそ」の稽古が始まる。「かや子のへそ」は今まで書いた台本の中で一番おもしろい台本であると自分では思っている。
しかし「かや子のへそ」の台本を書くのはめちゃくちゃらくちんだった。ほとんど書き直しをせずに一発で書いてしまった。こんなの初めてだ。いつも僕は10回も20回も書き直しをするのに。鼻歌まじりでらくちんらくちんと書いた台本なのに、おもしろいのが書けたっつうのはどういうことか。俺もだんだんりこうになってくるがな、ということなのだろうか。

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児童図書館は不採用であった。残念。

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州之内徹の『気まぐれ美術館』に30年くらい前の新宿駅の南口近くのお茶漬屋の写真がうつっているのだけれども、えこれはどこの田舎ですかっていうくらいに閑散とした写真なのでびっくりする。僕が新宿駅のあたりをぶらぶらしていたのは大学生のころで、もう10年くらい前になるけど、10年前だってあんなお茶漬屋さんはなかった。10年前の新宿駅の南口から坂を下りたあたりには、車椅子のまま入れるような広い電話ボックスがあった。その頃はまだ僕の周りで携帯電話なんか持っている人はいなかったから、僕は同じ英文学科のカミオカたちと土曜日の夜に「つぼ八」でビールを飲んで酔っぱらうと、かならずその電話ボックスに行き、カミオカがそのときに好きだった女の子の家にその電話ボックスから電話をかけて、カミオカは酔っぱらった勢いで「実は俺XXちゃんのこと好きなんだ」とか言って、それでもちろん毎回ふられる。20歳前後の僕はそんなことをほぼ毎週のようにやってた。カミオカはあの電話ボックスから何人の女の子に電話をかけたことか。
知っている場所の古い写真を見るとなんだかわくわくするんだけれど、その古い写真をみるわくわく感みたいなのを書いた小説に柴崎友香の『その街の今は』というのがあって、この小説が僕は好きで、以前深見師匠にお金を1000円借りたときに、1000円返す代わりにこの小説をプレゼントしたっけか。その深見師匠が今度僕が3年くらい前に書いた台本を東京で上演する。くわしくは甘もの会のウェブ・サイトをみてみてください。