甘もの会を観てきた

こないだの土曜日の夜、そらたね祭が終わってから夜行バスに乗り、東京に行った。
日曜の朝に東京について、それから浅草まで行ってぶらぶらと浅草を見てまわって、その後新宿で「ポニョ」の映画を観ようと思ったのだけれど、えらく眠くて、このまま映画館に入ったら絶対映画を観ずに寝るな、と思ったので、電車の中で居眠りをして時間をつぶすことにし、中央線で居眠りしながら八王子まで行き、八王子から居眠りしながら新宿まで戻った。
昼過ぎに経堂のギャラリ・カタカタに行く。ここで甘もの会の『炬燵電車』が上演されるので、それを観にいった。そもそも今回の東京行きはこの上演を観るのが目的だった。けっして「ポニョ」を観に行ったわけではない。

『炬燵電車』は2006年の春に僕が書いて僕が演出して劇団hakoが上演した演劇で、そのときは僕の友達とかから「なんかちょっとわかんなかった」とか、「ごめん、寝た」とか、「まあ、人間だれでも失敗するときはあるから」とか言われて、あまりウケがよくなかったという印象が残っている。
そのウケの良くなかった演劇を甘もの会の人たちはどういう風にやるのかしら、と思って観たんだけど、これが大変おもしろい演劇だったのでたまげてしまった! 首根っこをつかまれてぐいぐいと引っぱり込まれるような演劇で、特にキー坊を泣かしたかや子がてい子にしかられる場面など、僕は観ていて涙が出そうになってしまった。僕はこの日昼公演と夜公演と2回観たんだけど、2回とも泣きそうになった。できることなら、泣いている子どもとか、しかられた子どもとか、うつむくおばさんとかを、ぎゅーっと抱きしめてあげたいとか、そんなことを感じた(セクハラかしら・・・)。よくあんなすげえものが書けたなと、我ながら感心して、感心している自分に我ながらあきれた。

このごろ演劇を続けて行く自信みたいなものがなくなっていて、来年あたりは群馬の山奥にひっこんで過疎の村の小学校で先生でもして暮らそうかとか考えていたんだけれども、甘もの会の『炬燵電車』を観て、また新しく台本を書くぞと決めた。2008年は短い台本をちょこっと書いてお茶をにごしていただけだったけど、来年はひとつ、上演時間1時間半とかの長めの台本を、ひとつ書くぞ、ひとつ俺は。

出演者のタッチーのうちで行われた甘もの会の打ち上げに行き、鍋を食べたりビールを飲んだりうとうと眠ったりして月曜日のお昼くらいまで楽しく過ごした。
打ち上げでは遠距離恋愛の話が出たりして、そんな話を聞いたり聞かなかったりしていた僕は、次に書く台本は遠距離恋愛をあつかったものにしようかしらと、京都に戻って来てから考えた。