パスカルズがすごかった(その2)!

一曲目の演奏が終わるとパーカッションの石川さん(たまのランニングの人です)がもそもそと服を脱ぎだして、「あ、ランニングになるのかな」と思って見ていたら、シャツの下から出て来たのは水色のツルツルしたランニングで、「なんか変わったランニングだな」と思っていると石川さんの服脱ぎはそこで終わらず、ズボンまで脱いで、そうすると石川さんが服の下に着ていたのは水色のレオタードだったのだということがわかり、石川さんがうしろを向くとレオタードが食い込んだお尻が見えて、客席からは「キャーッ!」という喜びの声が上がる。石川さんの水色のレオタード姿には「いい歳こいた大のおとながこんなアホなことをしても良いんだ!」という開放感があって、たいへん気持ちいい。その石川さんに「本日の二大馬鹿を紹介します」と紹介されたのがバンマスのロケット・マツさんと、チェリスト坂本弘道さんで、レオタード姿で演奏する石川さんも結構馬鹿だよなと思ったんだけれども、同じ馬鹿でも石川さんの馬鹿は演奏を良くする馬鹿で、バンマスとチェリストの馬鹿は演奏を悪くする馬鹿なのだった。ロケットさんはライブの前日だか前々日だったかに自転車で猛スピードを出して走っているときにすっころんで左手を骨折した。ライブでは右手だけで演奏していた。坂本さんはライブ中のこぎりを演奏しているときに指を切って出血して、その指の血を石川さんの顔にぺたぺたと塗りつけていた。坂本さんは親指の付け根あたりをしきりになめていて、そうするとスタッフの人が絆創膏を持って来てくれたのだけれども、結構いっぱい切ったっぽくて、かなり痛げだった。
アンコールの演奏が終わって楽屋にひっこむとき、石川さんは「サービス」と言ってレオタードの左の乳あてをめくって乳首を見せてくれて、そこに知久さんが「あほ」とツッコミを入れて、それでパスカルズの演奏は終わりになったのだった。こうして書いてみるとすげえ馬鹿っぽいのだけれども、そんな馬鹿なことをしつつも、演奏はものすごくしっかりしていて、歌のメロディーもいいし、リズムが複雑でおもしろいし、ボーカルの声は不思議な声だし(たまの知久寿焼さんです)、鍵盤ハーモニカやトイ・ピアノや口琴の音もおもしろいし、バンジョーはかっこいいし、ヴァイオリンの女性たちの服や帽子がかわいいし、風船とかおもちゃとかを使う演奏は勉強になるし、歌詞も湿っぽくなくて良いし、リズムがしっかりしていて十何人いる演奏者の音が一丸となって押し寄せて来る感じは気持ちいい。

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それからこれがObandosの映像。ダンボールに輪ゴムの弦をはったギターとかを演奏しています。