育成シュミレーションでハウツーで


風邪気味っぽい。こんどの連休は連日飲み会をする予定なので、風邪っぽいまま連休に突入するのだけは避けたい。ので、野菜をたくさん食べてみる。
そしてやっぱしむかしの人の書く物はおもしろいですね、と『エミール』を読みながら思うこのごろは、風がわりと強くてにわか雨がふったりすげえ寒かったり暖かだったり。今では恋愛シュミレーションのゲームとかがあるけど、『エミール』は育成シュミレーションの小説なのですねルソーさん、と文庫本から顔をあげて天井を見てつぶやいてみたりする日々。ルソーがエミールを育てながらいろいろ考えることとかを書いて行くという。ときどき子育てとは関係のないこと(権力と自由はどっちがいいか? とか)も書くという本。そして『エミール』はHow to本でもあるんだな。「子どもの最初の泣き声は願いである。気をつけていないと、それはやがて命令になる」とか。いずれ父親になるかもしれない僕はこういうところを読むと「ふむふむ」と赤線をひいて手帳にメモしたくなる。「子どもは人々の主人ではないのだから、人々に命令しないように、また、ものはかれの言うことが聞こえないのだから、ものに命令しないように、はやくから習慣をつけさせる必要がある」とか。「泣けばいろいろといいことがあるとわかってきたばあい、どうして子どもは泣かずにいられよう」と、1960年代に出た翻訳本はひらがながやけに多いのがわたしは好きだ。「子どもがないているあいだはわたしは子どものそばへ近よらない。泣きやんだらすぐにそばへ行ってやる。やがて、かれがわたしを呼ぶ方法は、泣きやむか、それともせいぜい一度だけ叫び声をあげることになるだろう」というあたりがHow to本っぽくて役に立ちそうなのだけれども、実際子どもに泣かれたらそばへ近よることをがまんできるのかしらとか、そんなことを頭の中でころがしていると、けっこう長いこと楽しめる。ちょっと読むだけでその読んだところが一日あたまのなかで転がり続けるということになり、こういうのってけっこう安上がりなのかも。