三月に降る雨はそれほどいやじゃない

 ハローワークへ通う日々。ハローワークの人に職務経歴書を添削してもらったりなど。
 3月3日には、出演者が女性ばかり、というひな祭りライブを聴きに行く。アイリッシュハープとバイオリンの二人組の演奏が良くて、きれいな音だなーとひたすら目をつむって聴いていた。目をつむっていると、演奏している人の動きが見えないから、どのタイミングでバイオリンが鳴るのか、とかがわからない。わからないで聴いてると、急にバイオリンが鳴り出したりしたときに、そのバイオリンの音が良く聞こえるような気がした。離れていた弓が、はじめて弦に当たったときの音、というのが良くて、そんな音をじっと聴いていた。
 五組出演した人たちのうちで、安藤さんという人が最後に弾き語りをした。途中のしゃべりで、「母には、結婚はまだかと、このごろはきかれます」というようなことを言っていて、そうしたらなんだか演奏を聴いている僕は安藤さんのお母さんになってしまったような気持ちでその後の演奏を聴いた。

オレンジ色のスカート

オレンジ色のスカート

安藤さんのCDを買って帰って来て、翌日の日曜日はほとんど一日中このCDを流していたのだど、聴きながら僕は、娘からこのCDが送られて来て、初めてこれを聴いたお母さんの気持ちはどうだったか、みたいなことを想像してしまい、「君とあったかいふとんで眠るまで、あと2ヶ月、2ヶ月と少し」みたいな歌詞をきくと、僕はもうお母さんの気分で、「なんだか私の娘は寂しい思いをしているようだ」とかなしいような気分になる。「ああ、私の娘は幸せになってほしい」と、お母さんの気分でしんみり聴いてしまう。