noise-poitrine2012-08-23

34年半の人生で初のバリウムをきのう飲んだ。人から聞いていた話では、「色んな味を選ぶことができるよ」とか「最近では量も少なくなって飲みやすいよ」ということだったので、僕はマンゴー味にしようか、コーヒー味にしようかと、少し楽しみにしつつ病院にいったのだけど、僕が行った病院ではバリウムの味は一種類しかなく、飲む量もかなり多かったのでつまらない。透明のプラスチックのカップに注がれたバリウムは、田んぼの泥みたいなどろどろ具合で白い。あの味は何味だろう。葡萄みたいな、フルーツっぽい甘い味だった。初めはこのバリウムをおちょこ一杯ぶんくらい飲むだけ。そのあとヨーグルトについてくる砂糖みたいな粒状のものを渡されて、これもおちょこ一杯ぶんほど水で飲みこむ。この粒を口に含むと溶けてぶくぶくと泡が出てくる。「ゲップは我慢してください」と言われ、なんだ、これくらいならば楽勝だな、と思っていると、今度は透明のプラスチックのカップにたっぷりとバリウムが注がれる。あのカップは、マクドナルドで飲むコーラのLサイズくらいはあったのじゃないか。「まだ飲まなくていいので、そこのホルダーに置いておいてください」と、そのずっしり重たいカップを渡された。縦になったベッドの前に立つと、そのベッドがゆっくりと後ろに倒されて行き、ベッドの上の僕はお医者さんの指示どおり横をむいたりうつぶせになったり仰向けになったり。ベッドも頭の方に傾いたり足の方に傾いたり、なんだか子どもの頃にカッパピアで乗ったビックリハウスという絶叫マシーンを思い出して、ちょっと懐かしいような気分になる。いったんベッドが起こされる。「では、カップを手に持って、一口飲みましょう」それでLサイズのカップから一口飲むんだけど、この田んぼの泥みたいなバリウムがすっとのどを通っていかなくて、のどに力を入れて無理矢理飲み込むという感じ。「次は大きく口に含んで、はい飲み込みましょう」また一口飲みこむ。「もう一度、大きく口に含んで、はい飲んで」やっとの思いでのみこむ。「それでは全部飲んでください」それでごくごく甘くもったりしたバリウムを飲んで行くのだけど、これが飲んでも飲んでもぜんぜん減らないようで、最後の方はだいぶやけっぱちみたいな気持ちになって全部飲んだ。それからまたベッドが倒されてごろごろと身をよじり、バシバシとレントゲン写真を撮られて、