タワーレコードに行ったのは何年ぶりだったろうか。四条河原町のビルのすごく高い階にあるので、エレベーターを待つのも面倒くさいしエスカレーターで上るのも面倒くさいし、しばらく行ってなかった。十年とか前はタワーレコードまで出かけていってベルベット・アンダーグラウンドのボックスを買ったりもしてたんだけど。アマゾンでばかりCDを買ってしまう。いや、最近はアマゾンもほとんど使ってない。あんまりCDを買わなくなっちゃった。
関係者以外立ち入り禁止の事務室にいる女の人がみんな髪の長い美人なので驚いた。机のパソコンに向かってなにやら仕事をしているふう。僕らが入って行くとにこやかに「おつかれさまです」とかいう。こういう美人が奥の方でいろいろ働いているのか。美人は表には姿を現さないのか。僕らが応接室で待機していると、磨りガラスの向こうから楽しそうに笑いながらしゃべる声が聞こえる。「この声がいいや」とバンドの誰かがいっていたけど、もしもちゃんと就職していたら、俺の人生にもこういう声の中で仕事をする、という生き方だってあったのかもしれないなあ、と思う。別に、そっちのほうが良かった、というわけじゃあないんだけど。
ライブは妻と娘が聴きに来てくれる。妻の話では、曲によっては、娘はベビーカーの上でからだを揺らしてのっていた、という。ライブのあと、娘がタワレコの店内をうろちょろうろちょろ歩き回り、売り物のイヤホンをいじったりするので、それを追いかけ回して「だめだよー」とかいうのが楽しい。
