ヘチマの下

 親子三人が庭にござをしいてのんびりと寝転がっている絵をいつかどこかで見たことがあり、あんなふうな暮らしをしてみたいものだな、と思っていたのだったが、今ではその希望が叶えられた。あの絵は誰が描いたなんという名前の絵なのか、もう一度みたいけれど名前がわからなければインターネットでも検索のしようがない。それでずっと気になりつつもさがせないでいたのだけど、こないだ日曜美術館を見ていたらこの絵が出て来た。久隅守景という人の「納涼図屏風」という絵だった
 夏の暑い日、夕方になって涼しくなって来た、風が気持ちいいな、などといいながら三人並んで日陰に寝転がって特に何を話すでもなく、ぼーっとどこか遠くのほうを見ている。