日当りの良い部屋

 本棚の前に積み上げた本に娘がつまずいたら痛い思いをさせてしまう、この週末に片付けなくては。と思いながら眠ったら本を片づける夢をみた。夢の中で僕が住んでいる家は部屋が多すぎる。家族三人で住んでいたのではとてもつかいきれない、といって一部屋空いたままにしていた部屋があったんだった、と思い出す。しかし部屋が多いといってもそれほど広くない家でしかも平屋なのだから、夢の中の家にはせいぜい4部屋くらいしかない。空いたままにしていたその部屋は畳敷きで障子ごしの光でとても明るい。そして静かだ。そうだ、この部屋に本を入れておけばいいんだ、どうせ使っていない部屋なのだから。しかしこんなに静かでいい部屋をどうして僕は空き部屋にしておいたのだろう。この畳の上に寝っころがって本を読むとか、昼寝をするとか、そんなふうにどうして今まで使ってこなかったのか。
 というこの同じ部屋が出て来る夢を前に一度見たことがあったのを目が覚めてから思い出した。前に夢で見たときも静かで広々した明るいいい部屋だと思った。もう一度見たい、と思っていたから今日の夢に出て来たのか。
 使っていない部屋、余分の部屋、からっぽの部屋がある、というのはとてもいい。余裕がある感じがしてとてもいい。