弘法大師は原・山口の人たちが悲しんでいるわけを聞くと、新しい古柳観音を刻んでくれた。だから今の古柳観音に安置されているのは千二百年前に弘法大師が彫った観音像だ、ということになる。弘法大師は、
 山口や 茂れる木々の露までも
 心へだてぬ 法の月影
 と歌も詠んでくれて、それを石に刻んだらしいのだが、今ではこの石はどこかに行ってしまい見つかっていない。
 弘法大師は大桁山を気に入り、ここに大本山を建てようと考えたらしい、しかし「百谷に一谷足りない九十九谷だったため」に諦めて今の高野山大本山を建てた、と「社会科校外学習」には書いてある。谷がそれだけ沢山あるということなのか、谷を全部調べたのか。大桁山ってそんなにいい山だったのか、と思って見てみると、山の斜面の角度が急すぎずなだらかすぎずちょうどいい。