9月1日(日)、妻が退院したときに栄養のある物を食べられるようにと思い、午前中ぼくは生協に買い物に行く。ちりめんじゃこ、干しえび、切り干し大根、ひじきなど、乾いた物を中心に買う。午後病院へ。集中治療室で重く熱い娘を抱いていると、どういうわけか猛烈に眠くなる。あれ? 子供が眠ると親も眠くなるという話をどこかで読んだぞ、そうだ、磯崎憲一郎さんの『メキシコ』だ。『メキシコ』には次のように書かれていたのだった。「ただ、これは常々不思議に思っていることなのだけれども、子供たちが眠りに落ちてしまうと、それに引きずり込まれるようにして親も、つまり私と妻も一緒に眠りに落ちてしまうのだ」。たしかに磯崎さんの書いている通りじゃあないか! と僕が磯崎さんのことを考えていた同じ日に磯崎さんが僕のブログにコメントを書いてくれていたのだった。いまみつけたんだけど、びっくりして心臓のバクバクがなかなか止まらない。

 9月2日(月)、午前、妻からメール。娘は集中治療室を出て母子同室になったとのこと。僕は仕事を早めに終わらせて区役所に出生届を出しに行く。早めの晩ご飯を天下一品ですませて6時前に病院へ着く。妻が夕食をとっているあいだとシャワーを浴びているあいだ、僕は眠る娘を抱いていたのだけれど、やっぱりどうしても眠くなる。何か眠くなるガスでも出ているのかしら?

 明日の朝検査して問題がなければ母子ともに退院の予定なり。