さようなら、私のうんちよ!

 娘はうんちが出るときにけっこう泣くみたいなことがだんだん分かって来た。どうやら自分のからだの一部と永遠に決別することが悲しくて泣いているような様子。その悲しさに少し同情するが、心を鬼にしてパンパースごとうんちを捨てる。これから先、君はうんちだけでなくいろんなものと別れていかなくちゃならないんだぜ。
 むずがる娘を抱くとはげしくまげのばしする膝があばらにばしばし入って痛い。赤ちゃんてこんなに強い人だったのですか、とびっくりする日々だ。今では、どうして赤ちゃんが「先生」「社長」「横綱」「ボス」などと呼ばれるのかが良くわかる。「赤子の手をひねる」なんていうけど、それって実はそれほど簡単なことじゃないんだよな、というか絶対無理です、赤ちゃんていうのは手をひねるにはあまりにも強すぎる。