イギリス旅行23

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4月29日(月)あのでっかい手はマジンガーZか何かのロケットパンチか何かみたいだな、昔のエジプトの人はどういうつもりであんなにも巨大な石像を作ったのか。それにしても今日も目一杯歩いて足がクタクタだ、大英博物館はとりあえず来たというだけで満足することにしよう、いちおうミイラとロゼッタ・ストーンは見られたことだし。ということでお土産コーナーへ。トートバッグ好きの妻がトートを選ぶ、娘は学校の友達にあげるために「不思議の国のアリス」のリップクリーム三本セットを買う。僕は今回のロンドン旅行でロンドンのことをもっと知りたくなったため、ロンドンについての本を買うことにする。もう値段なんか見ない。というか、本には値段が書いてない。でもきっと同じ本を日本で買うよりは絶対安いはず、だからもう値段なんて気にしないで買っちゃう。レジには長い行列。レジ係のお姉さんは中東系の人で、髪の毛をすっぽりと覆う布を頭につけていた、笑顔なんかはとっくのむかしに消えていて、ただひたすらお金と品物のやり取りをして「ネクスト・プリーズ!」と客をさばき続ける、というのが一日じゅう閉館までずっと続く。なんて大変な仕事なことか。その後トイレに行ったりしてると閉館時間の5時になる。京都のマンガミュージアムなんかは5時半閉館で絶対に5時半までには外に出てなくちゃならない感じなのだけど、大英博物館では5時をすぎてからゆっくりと警備員が客を追い出し始める。「もう閉館ですので、石段に腰かけないでください」とか、一応はていねいに言ってる風なんだけど、両手の手のひらを前に向けて後ろから前にあおぐように動かす仕草が「しっし」とニワトリを追い払う仕草にそっくりだ。お客様は神様です、じゃなくて、あくまで対等。タメ口文化をかいま見る思いだ。ロンドン・レビュー・ブックショップへ。妻はマグカップとここでもトートバッグを買う。娘が選んだ児童書を買う、「ペーパー・ボート、ペーパー・バード」という金閣寺の絵が表紙に描いてある京都が舞台の話。地下の児童書売り場では、ノートパソコンを開いた店員のおじさんが机の前に座ってるんだけど、これがカウンターみたいな感じになってなくて、そのおじさんの背中側にも書棚があって売り物の本が並んでる。ここからこっちはスタッフの縄張りなので、みたいに仕切りがあるわけじゃなくて、客も店員も一緒になってフロアにいる感じが、なんか日本の本屋と違うなあ、と思う。一階に上がって会計をすましてたら、突然店内でマイクを持った人が喋り出して、あれはマイクチェックか何かだったのか、店内で買い物をしてる中国人っぽい人に「ちょっと一言」とマイクを向けたりして、まさかいきなりポッドキャストの収録が始まっちゃったのか、僕らもインタビューされちゃったらどうしよう、と緊張したが僕らの方には見向きもしなくて、マイクを持った人は一人で調子よくペラペラと喋り続けてた。日本でイメージする書店員のイメージっていうとだいたい物静かな人を思い浮かべるんだけど、この人は映画とかで見るニューヨークかどこかのDJみたいな雰囲気で、そうか、ロンドンではこういうノリの人が本屋をやってるのか、と思う。ホテルまで帰る歩きと地下鉄とまた歩きの30分、40分がどうも余計だ。この短いようでしかし微妙に長い余計な時間が体力を奪う。次回はホルボーンあたりにホテルをとりたい。それにしても案ずるより産むが易しとはよく言ったもので、ロンドンに来てしまえば地下鉄の乗り降りもホテルの人とのコミニュケーションもどうにかなるものだなあ。土地勘がないから距離や方向が分からないが、それもスマートフォンにいれた地図アプリがあればどうにかなるもので、そんなにナーバスになる必要もなかった。後になってあの時ああいえばよかったなとか思うこともあるけど、反省点は次に会話をするときにいかしていけば良くて、とにかくどんどんしゃべっていったほうが断然楽しい。買い物にしても道を聞くにしても、とにかくそこらへんにいるロンドンの人に話しかけたほうが、黙ってるよりも全然おもしろい。中学英語でも十分会話になるし。朝から歩き通しであまりに疲れていたのでアールズ・コートで地下鉄を降りたらスーパーによらずにまっすぐにホテルに帰る。そのため、今日はビールは買えず。夕食は昨日の残り物の鶏の丸焼き。明日はホテルを引っ越す。ロンドンを引き払ってヨークに行く。

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