イギリス旅行25

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4月30日(火)ハリー・ポッター・ショップは服やら本やら地図やらおもちゃやらがぎっしりとつまっていて、その中でも娘はハーマイオニーの人形(リカちゃん人形みたいなやつ)が気になるが、今は買わない。ヨークシャー方面からロンドンに戻って来る時もこの駅を利用するのだから、欲しいおもちゃは帰りのときに買おう、ということにして店を出て、駅の外観がどんな風なのかを見に行く。イギリスにいられる時間は限られてるんだし、それに次はいつ来られるかも分からないのだから、ぼーっと時間をつぶしてしまってはもったいない、プラットフォームが決まるまでに少しでも時間があるのならば、その時間を使ってここでしか見られないものを見ておこう、かっこいいらしいと聞いている駅の建物を外から見ておこう。駅を出るとまずキングス・クロス駅の隣にあるセント・パンクラス駅が目に入って、これはとんがった高い時計塔がついていて、駅なんてものは地面にプラットフォームを並べて屋根をつけておけば駅になるはずなのになんでこんな高い時計塔を作ったのか、などと一瞬思いそうになるのだけれど、しかし駅ができた当時は周りにあまり高い建物がなかったかもしれず、そうするとこの高い時計塔は遠くからでも良く見えたはずで、さぞかし存在感を発揮していたことだろうから、北へ向かって旅に出る人はこの時計塔を目指して馬車だか徒歩だかでここに集まって来た。駅を作った当時は鉄道の役割は今よりももっと重要で、というのは昔は車がまだなかったからトラックで高速道路で物資を運ぶことなんてできなかったし人が移動するにもやっぱり鉄道を使う必要があって、その重要性は今となっては想像するのも難しいくらいのもので、それだけ重要な施設であるところの駅はどれだけ豪華に装飾して作ってもその重要性を考えれば豪華すぎることはないくらいのもので、だからこれだけ立派な建物を作った、ということなのだろうな。キングス・クロス駅はセント・パンクラスに比べると四角く平べったく装飾も控え目で時計塔も低かったけど、半円形の大きな窓がカッコよくて近代的な清潔な雰囲気。僕らの乗る電車は一ヶ月前だったか二ヶ月前だったかに日本でネットで予約していて、早く予約するとだいぶ割引になるとかで、たしか三人でヨークまで行くのが片道一万円くらいだったから、ロンドンの物価の高さを考えるとこれはもうべらぼうに安い、という気がする。駅舎に戻り掲示板を見あげる人の群れに混じって三人で上を見上げて待ってるとヨーク経由のエジンバラ行きは0番線ですよ、と表示が出て、周りの人らがぞろぞろと動きだし、僕らもこの流れに乗って改札まで行く。ネットで買った切符がQRコードで妻のスマートフォンに三人ぶん送られて来てるんだけど、これでどうやって三人で改札を通るのかね? とちょっとまごつく。オイスターカードをくっつける黄色の丸のところにQRコードをくっつけて、あれ? 全然読み取ってくれないな、とか言ってまごまごしてみたりするが、どうにか改札を抜け、アーチ状の柱が並んでるのを見て、ハリー・ポッターの映画に出て来た柱とおんなじやつだ、と思う。電車に乗ると予約してる座席の上の荷物おきの棚にデジタルの表示で「リザーブド」と表示されている。予約が入っていない席の上には「まだリザーブされてない」との表示。僕らは真ん中にテーブルのある向かい合いの席を予約していて、テーブルの上にお菓子を出したりノートを出したりして発車を待つ。

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