イギリス旅行34

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5月1日水曜日、晴れ。今日も5時すぎに起きる。6時から一階のホールみたいなとこで朝食。6時におりて行ったら僕らが一番のりだった。フル・イングリッシュ・ブレックファストが食べ放題。好きな料理を好きなだけ自分のお皿によそって食べる。でっかいソーセージとか焼きトマトとか豆のトマト煮とか卵焼きとかポテトを砕いて固めて焼いたやつとか。コーヒーも紅茶もおかわり自由。娘はベーコンを大量によそってしまったり、コーンフレークにマシュマロだのチョコレートだのを入れて甘くしすぎたり。甘すぎてとても食べられたものじゃない、人はこうやって失敗から学んで行くのだな。リンゴは小さくてかわいらしいのだが青リンゴはすっぱく赤リンゴは味がなく、あまりおいしいものではない。妻はまた妊娠したようにおなかをふくらませて娘を笑わせる。イギリスのホテルではお皿が欠けてたり、ちょっと洗いが甘めだったりする。こういうお皿からは「そんなに神経質になる必要ある? お皿の本質とは欠けとか洗いの甘さにあるわけではないでしょう?」というメッセージを感じる。欠けたお皿でも食べられるし、それで怪我をすることなんてないんだからいいじゃないか。「欠けてる! 怪我をしたらどうするんだ!」とか「洗い残しがある! 俺をバカにしてるのか!」とか目くじらを立てることがギスギスと生きにくい世の中を作っちゃうんじゃないか。欠けたお皿に腹を立てて従業員に厳しい目を向ければ、その厳しい目は自分にも帰ってくる。お互いに見張りあって不自由な社会を作ってしまう、そんな生きにくい世界に生きるよりは、欠けたお皿に腹なんて立てず、ああ、おいしい、ああ、おいしい、と笑って朝食を食べてる方がどんなに良いか、ということをイギリスの人はわかってるんだ。