イギリス旅行11日目

1997年9月7日、日曜日

 朝、8時過ぎに目を覚まし、朝食を食べた。YHとほとんど同じであった。ただ、シリアルに使うミルク壺の中に、人が残したミルクを食堂のおばちゃんは入れていた。これを見てしまった僕は、コーンフレークスを食べなかった。
 10時頃まで地図を見たりしていて、10時頃に出発。まずリヴァプール大聖堂に行った。これの向かいにステュの家があるらしいのだけれど、良くわからなかった。
 この大聖堂はすげえでかかった。昨日のMMツアーのバスからも見えたのだけれど、なんだか要塞みたいな感じだ。日曜なので礼拝やってた。居心地悪くてすぐに出てきた。
 そしてチャイナタウンを抜けて川辺まで歩く。キャプテンクックに関するものが何かありそうなので、Merseyside Maritime Museumに入った。1ポンド50ペンスだった。内容の割に安かった。
 まず移民についてのコーナー。僕はこういうのが大好きだ。ゴールドラッシュとか開拓時代とかそういうやつ。そういう時代の人は、生き生きしているような感じがする。日々の些細な喜びを、身に染みて感じながら生きている、という感じがする。これは僕の妄想で、実際は違ったのかもしれないけれど。
 その後奴隷のコーナーや絵や模型のコーナーなどを見たけれど、クックさんのコーナーはみつからなかった。でも結構面白かったよ。
 そこを出たのは2時くらいで、めしをくいに町まで戻った。ふらふらと探したけれど、あまり良さそうなのがみつからないので、またマクドでたべた。
 その後、キャヴァーンクラブのあった通りへ行って、エリナリグビーの像を見ようと思ったのだけれど、例によって道に迷った。1時間ほどぷらぷらしてから川辺に戻る。キャヴァーンの通りはみつかったのだけれど、日曜なのであまり人もいなくて、エリナの像は見つからなくて、足は疲れた。道に迷って「クック通り」を通ることができた。なんつうことはない、ただの通りである。
 ビートルズストーリーもなんつうこともなかった。900円の価値はない。ほとんど知ってることだったし、英語を読むのも面倒くさかった。
 そこを出て川辺を歩いた。歩きながら日本について考えた。帰っても何もないなあと考えた。帰れば、またバイトが始まるし(別に働くのが嫌なわけじゃない。ただ、長い間休んで後ろめたい)、宿題はやってないし、ベースの練習もしてないのに10月定例があるし、ノミだかダニだかは大量発生しているだろうし、彼女はいないし、どうせまたいつものメンバーでうだうだして、酒を飲むだけだろうし、何も良い事がない。僕の人生って一体なんだと思ってしまう。最近、心底楽しいと思った事がない。イギリスにいてもさみしいけど、日本に帰っても楽しくない。
 そのあと、昨日と同じ店でフィッシャンチップスとコーヒーをとる。3ポンド30ペンスくらいだったと思うけど、小銭は2ポンド80ペンスくらいしかなかった。で、20ポンド札を渡そうとしたら、小銭全部で許してくれた。良い人である。昨日と同じオリエンタル系の女性。
 そしてまたボルビックを買って帰った。朝雨だったけど、夕方晴れて良かった。おおむねのんびりした1日であった。

午後8時半
 20分で終わるはずの洗濯機が1時間半立ってもまだ止まらない。レセプションのおじさんに言ったら1時間したら来てくれと言った。服はぶっ壊さないからと言っていたけれど…。初めてトラブルらしいトラブルである。

午後9時半
 まだ回っている。おじさんは明日の朝乾かして部屋まで持ってってやると言ってた。パンツのゴムとか伸びちゃうのじゃないかと思う。「前にもあった」とおじさんは言ってた。「そんときは3時間回ってた」と言ってた。
 パジャマもない。