イギリス旅行16

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 四月二十九日月曜日。ロンドン三日目。朝四時頃に娘がベッドから落ちた。今日は妻と娘がダブルベッドで寝てたんだった。ダブルベッドはけっこう高くて80センチくらいあったろうか、打ち所が悪ければたいへん悪いことになっていたかもしれないが、ほっぺたにアザを作っただけですんだ。娘はしきりに痛がっているが、僕と妻は、たいしたことないよ、大丈夫だよ、ちょっと赤くなってるだけだよ、お風呂に入れば治るよ、とわざとなんでもない風に答える。こういうのは気持ちが大事だ、ベッドから落ちて顔面を打ったと言って落ち込んでいては、最悪の場合今日は観光になど行かずに一日ベッドで寝ている、なんてことになりかねない。そんなのよくあることだよ、平気だよ、と娘に言い聞かせる。それにしてもこのベッドは危険だ。次からはソファーベッドで寝かせることにしよう。奇妙な夢を見られるというスティルトン・チーズを昨日寝る前に食べたのだったが、僕はどうも間違って買って来てしまったらしい。あとで「妄想ロンドン会議」を聞き直してみると、スティルトン・チーズはブルーチーズだと言っている。僕が買ったのはホワイト・スティルトンアプリコット入りのものだった。もう一つ別にブルーチーズも買ったのだったが、こっちはただブルーチーズと書いてあっただけだったように思う。両方のチーズを食べたけど、特に変わった夢は見なかったし、妻が変な夢を見たという話も聞かない。ただ、娘はだいぶおかしな夢を見たらしく、変なおじさんが出て来たり、殺人が起こったりしたという。たしか娘は昨日の夜はポテトを二本食べただけだったはずだが。朝ごはんはスコーン。昨日買ったクロテッドクリームを塗って食べる。クロテッドクリームはだいぶ大きめのカップに入っているのだが、これを二日間で食べ切らねばならないので、スコーンよりもクリームの方が多いんじゃないか、というくらい山盛りにのっけて食べるという贅沢。ペンネ入りのトマトスープとサラダも食べた。娘は昨日はお風呂に入らずに寝てしまったので、朝食の後で入浴。娘はこのホテルのお風呂が気にいっている、鼻歌を歌ったりなどしてお風呂に入るのがとても楽しそう。今日はダウン・ハウスに行く予定。チャールズ・ダーウィンが40年間暮らした家。