袋をかぶる

昨日の「かや子のへそ」の稽古で、袋をかぶったらいいじゃないのという案が出た。そのときに思い出したのがこの映像。

これは40年前の映像で、ジョン・レノンエリック・クラプトンキース・リチャーズミッチ・ミッチェルが一緒に「ヤー・ブルース」を演奏しているところなのですが、この演奏中、小野洋子さんは黒い袋をかぶって意味不明にもぞもぞしております。
1分10秒過ぎたあたりで、右端に映っている洋子さんがしゃがんで袋をかぶります。
2分5秒のあたりに、袋をかぶった洋子さんがジョンの足下でもぞもぞしているのがうつっています。
4分44秒のあたりにも、やはりもぞもぞしている小野さんが映っています。
こうやってかっこいい音楽を演奏しているとこに変なやつがでてきて、わけのわからないことをやってしまうというのは、なんてかっこいいことなんだろう! と思う。この小野洋子さんのわけのわからないかっこよさを僕も今度つくる演劇作品にとり入れて行きたいなあ。
それにしても若い頃のクラプトンは男前だなあ! 3分55秒からクラプトンのかっこいいギターソロが聴けます。

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かっこいいといえば、『ジャン・クリストフ』に出てくるゴットフリートおじさんだけれども、この人もすげえかっこいい。クリストフのお母さんの弟で、薬とか駄菓子とかハンカチとかを売って歩いている行商人で、たまにクリストフの家にやってくる。寅さんみたいなおじさんである。
このおじさんは、6歳のクリストフが有名になりたいとか言ってつくった曲を、「まずいなあ、かわいそうに、クリストフ!」とか、「どうしてそれを作ったんだね? ほんとうにまずいんだ。誰もおまえに無理に作れとは言わないのに」とか言って、けちょんけちょんにけなす。そんでもってこんなことをいう。
「音楽で、傲慢だったり、嘘をつくと、いつだって罰せられるよ。音楽はつつましく、誠実であることを願うんだよ。そうでなかったら、いったいなんになる? ほんとうで正直なことを言うために、美しい歌をわしらに贈ってくださる神さまに対する、不信だよ、冒瀆だよ」
おじさんがこういうことを言ってくれるから、クリストフは鍛えられるんだろうな。

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今日も暑かった。すげえ暑かった。一昨年のいまごろ僕は地図会社のバイトで毎日暑いなか野外を歩き回っていたんだけど、いまになってみると、こんな暑い中を歩き回って良く平気だったなとあきれてしまう。そう言えばジーンズは汗でびしょびしょになってたっけか。Tシャツは塩で白くなっていたっけか。地図会社の人たちはきっと今日も暑いなか汗をかきながら歩き回っていたのだろうな。僕はといえばクーラーのきいたマクドナルドで『ジャン・クリストフ』を読んで一日を過ごしたのでした。