オムトンのライブに行ってきたよ

昨日は神戸までオムトンのライブを聴きに行った。
生で聴くオムトンはすげえかっこよかった! オムトンは女の子三人でマリンバとかピアノとかを使った音楽を演奏するバンドで、そう聞くとなんかかわいらしい音楽をやるのかなっていう印象なんだけど、それが全然違って(かわいらしいところもあるけど、かわいらしいだけじゃなくて)、僕がライブを聞きながら感じたのは、「黒い!」という印象だった。
黒いというのは何が黒いのか? 
まず音程が黒い。鍵盤が黒い。鍵盤には白鍵と黒鍵があって、小学校で教えるような歌は白鍵だけで(つまりドレミファソラシドだけで)できている。メロディーやコードが白鍵からはずれない。オムトンの音楽はばしばし白鍵から外れた音を弾く。不協和音なんかも(たぶん)弾く。そうすると「なんかすっきりしなくてきもちわるい」と感じる人もいるらしいんだけど、そのすっきりしなさが逆にめちゃくちゃかっこいい!
リズムも黒い。ヨーロッパの音楽は音をのばす音楽で、バイオリンとかは弓でひくし、ひくとなるといつまででもひきのばせる。だからヨーロッパで生まれたオーケストラなんかには指揮者が必要で、どこまで音をのばすかとかをいちいち指示しなくちゃならない。けど、アフリカの音楽はリズムが中心で、同じリズムをずっと続けたり、逆にリズムをどんどん複雑にしたりして音楽を進めて行く。オムトンの音楽は打楽器を使うので、音をのばすことができない。マリンバは一度ボンと打てばそれきり音は消えてしまう。だから何度も打つことになって、そうやって音を反復して行くやり方が、アフリカ的で黒い。ポリリズムとか変拍子とかも(たぶん)あって、あまりポップスの人がやらないようなおもしろいことをオムトンはやっていて、それがめちゃくちゃかっこいい!
オムトンのメンバーはすげえ楽しそうにずっとニコニコしながら演奏していて、マリンバの高橋さんなんて、演奏の途中で「ダーーシ!」とか叫んでドラム・セットのシンバルとかバシバシたたき出したりして、手が空いているときは踊っているし、MCではいっぱい余計なことを言って観客を笑わせるし、演奏が終わったら三人で「ピース、ピース」とピースサインだし、とにかくイキイキと勢いがあって楽しくて、もう、ほんとに観に行って良かったなあ、俺は。

このライブには四つぐらいのグループが出演していたんだけど、オムトンが一番黒くて、ほかの人たちはだいぶ白っぽかった。ほかの人たちはあんまりドレミから外れた音楽をやらなかった気がする。白いのが悪いわけじゃなくて、白には白の良さがあるんだけど、昨日の夜はとにかくオムトンの黒さに僕はまいってしまった。ああ! オムトンかっこよかったなあ! すげえかっこよかったなあ!

27日にオムトンのライブ・アルバムが出る。絶対買うぞ俺は!