バターや

しあわせ党がヤバいんじゃないかと思ってテレビのニュースとかを見てみたのだけれども、どうやら選挙は自民党民主党かということになっているようで、しあわせ党のしの字もニュースには出て来なかった。やはりしあわせ党に投票する人はそんなに多くないのかもしれないな。

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南極料理人』を映画館にみにいった。黒田さんが出演していたのでびっくりした。そういえば黒田さんが出演するのだという話を聞いたことがあったなと、今頃おもいだした。京都では二条駅の映画館でやっています。おもしろいですよ。おすすめですよ。
映画館で隣の席のおじさんおばさんがいちいち「おにぎりや」とか「娘や」とか「バターや」とか「やっぱりああゆうとこ行くとああなっちゃうんだな」とか「家族や」とか、目に入ったこととか思ったことなんかをいちいち一緒にみている人にしゃべっていて、夫婦というものはあんなふうに個人の感想を共有しながら暮らして行くものなのだなとちょっとだけ感心して、だけどそんな感想をぼくは聞きたくなかったので、せめて映画館では黙っていてほしいと言いたかったけど言わなかった。しかし共有するにしてもバターが出て来たから「バターや」と言うなんて、そのまんまやんけとか思うけど、あれはもしかしたらバターかバターじゃないかとかはほとんどどうでもよくて、今となりで一緒に同じ映画をみている奥さんなりだんなさんなりになにか声をかけることで、一緒にいる実感をかみしめているという、そういうための「バターや」なのかもしれないなあと無理矢理考えてみたりする。

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このごろは寝る前にテレビで世界陸上をみていたのだけれどもテレビの中で人が運動するのをみていると、寝転がっているぼくの心臓はどきどきしてきて、ふくらはぎとかもなんだかうずうずして、ちょっと自分も運動しているみたいな感じになる。そうするとなんだかお腹がすいて、夜中におきだして雑炊をつくって食べちゃったりして、ついつい夜更かしをしてしまったりしていた日々だった。

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もう風が秋っぽい。ことしは物干し場で水浴びをする回数が少なかったように思う。アパートの水のタンクがひなたにあるので、去年は水道をひねるとお湯が出たものだが(ほんとに出たのだ!)、ことしは一度もお湯などでず、ぬるい水ばかりで、どうもだめな感じだった。どうもぬるい夏だった。せっかく扇風機を持っていないのだ。あまりの暑さに気を失ってしまうくらいの暑さになってもらわないと、扇風機を持たずに過ごす夏の醍醐味が味わえない。来年は暑くなってほしいものだ。

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ここから下はシモネタになるので、嫌いな人はどうか読まないでください。
子どもの頃、テレビで確かにみたという記憶があるのだけれども、本当にそんなものをテレビで放送していたのだろうか、あんなものを放送してよかったのだろうかと、いまでもときどき思い出すテレビ番組がある。どこか野原のような場所で二人の男がキリストがはりつけにされたような十字架に縛りつけられている。男は二人ともふんどしみたいなものしかつけていない。それぞれの男の人の前に女の人がいる。女の人は生卵をたくさん大きなビールジョッキに割り入れたものを持っていて、それを十字架の男の人にがぶりがぶりと飲ませる。生卵に牛乳を混ぜたりもしていたかもしれない。で、十字架のふたりの男の人はどちらが先にうんこをするか、どちらがいっぱいうんこをするか、それを争っている。カメラは男の人のはだかのおしりからムリムリと出て来るうんこをうつす。
ぼくはほんとうにそんなものをみたのか。みたような気がしただけなのか。