さようなら、ジョグ・ダイヤル

携帯をあたらしいのに変えた。7年使った携帯には愛着があり、できればずっと使いたかったのだけれど、来年から電波が変わって使えなくなる、というので。
スマートフォンにしてもいいかも、とも思ったけど、今まで通りのボタンを押す携帯を選んだ。音楽が聴けるとか、ゲームができるとか、ネットができるとか、そんな機能はいらないや、と思い、おじいちゃんが使う「簡単ケータイ」を選んだ。電話とメールと万歩計くらいしか機能がついていない。電話屋さんで「おじいちゃんの携帯」と連発していたら、僕が使うのではなく、僕がおじいちゃんに持たせる携帯を買いに来たのだと勘違いされてしまった。そうではないのです、私が使うのです、私がおじいちゃんなのです、そんなことを一生懸命説明していると、気分はもう老後。

↑古い携帯で撮った新しい携帯の写真

7年つかった携帯は、バイト先で一緒だったOさんが持っていたのをみて、「あ、すげえかっちょいい!」とおもい、同じものを買ったのだった。たしか1万五千円だった。そのころはお金がなかったので、1万五千円を払うのはすげえつらかったんだけど、「どうしてもほしい!」と思い、買ったのだった。くりくりと回すジョグ・ダイヤルの感触が、今になって思うと、あれはプチプチをつぶすような、実はきもちよさだったんだな、と思う。くりくりと回して、ぶちっと押す。携帯というのは、操作するときのさわり心地がだいじなのだな。スマートフォンにしなくて良かったよー。

↑新しい携帯で撮った古い携帯の写真