イギリス旅行14日目

1997年9月10日、水曜日、晴れ
 朝起きてめし食った。ここで初めてベジタリアンコースを頼んだのだけれど、生野菜なんかなくて、ジャガイモをつぶしてこねて焼いたようなものが、ソーセージの代わりについていただけだった。まあ、でもここのお姉さんは感じが良いからいいや。
 そして9時頃YHを出て、南へ向かって歩き始めた。地図のおかげで、今日は田舎道をたくさん通れた。でも、午前中に通った、というより登った山道は結構きつくて、ここでぐったりと疲れてしまった。良い気持ちではあったのだけれども。
 登りよりも下りの方が疲れた。谷が岳を登った時のことを思い出させるようなすごい下り道で、バスケットシューズではちょっと危なかった。でも死なずに無事降りられた。
 ところで、この湖水地方は飛行機がよく飛んでいる。それもすごく速いやつで、音が後ろの方から聞こえてくるようなやつである。きっと軍の基地かなんかが近くにあるのだろう。
 で、ぐったり疲れてしまって、とぼとぼと歩いた。湖のそばのフットパスを歩いているときは、人が結構いて、「ハロー」とか「グッモーニン」とか言ったり、「トーキョーから来たのか」とかきかれたりしたのだけれど、山の中のフットパスにはほとんど人がいなかった。
 羊はいつも草を食べていた。草を食べるか、寝るかしていた。平和そうで良い。
 ホークスヘッドの町で日本人の団体ツアーの人々に会ったのだけれども、目を合わせてくれなかった。
 そして、またしばらく歩いてYHについた。3時前くらいについた。だいたい、6時間近く歩いたことになる。昨日はもっと(7、8時間)歩いたのだけれど、今日の方が疲れた。昨日からの疲れが溜まっているのだ。
 もう疲れちゃって歩きたくないので、まだ昼めしをくってないにも関わらず、どっかにくいに行く気がしない。もうすぐ4時である。めしまで3時間ある。もう少し休んだらホークスヘッドの町まで戻ってみようかしらん。
 もう、あと1週間もなくなってしまった。おちおちしていたので、イングランド以外のところに行く時間がなくなってしまった。あと1週間くらいあればスコットランドの方まで行けたのに。今日を合わせないで、あと5日。帰る日を抜いたらあと4日。家に電話もかけてないし、おみやげについても考えなければならないし、あんまり帰りたくないし、困ったものである。日本に帰れば、また単調な日常生活が始まるのだ。

 午後8時5分
 ここのYHは人が多すぎる。僕は昨日みたいのが良い。少人数でフレンドリーなのが。
 昨日のYHのめしは、レストラン風だったけれど、ここや、他のYHのめしは給食風である。
 Thorney Howで2泊すれば良かった。それと、もうひとつ心残りなのは、昨日のYHの夕食のトマトスープをおかわりしなかったことである。もう一回泊まりたいけれども、もう日数が残り少ないのでだめだ。しかしThorney Howの食堂のお姉さんは感じ良かった。髪がえらく短くて、カッコよかった。
 HowksheadのYHにも日本人をみかけない。こうしてみると、日本人は格好つけるだけなのではないかと思う。自然に親しもうと思って、「〜歩き方」のトップに乗っているレイクディストリアに来てみる。でも、一日十何キロも歩くのはいやだから、ウィンダミアに泊まってうろうろして去るか、あるいはバスで移動する。重い荷物をかついでばかみたいに歩きまわることなんか頭に浮かびさえしないのではないだろうか。