アウェイ、ラーメン、教室

今日は老人ばかりの会場でライブ演奏をした。ぼくはいま老人の伝記を書くというボランティアに参加しているのだけれども、そのボランティアにぼくをさそってくれたダイトウさんが、今度はギターをひいてくれと言って来たので、ギターを持っておばあさんの住む家に行き、30人くらいのおじいさんおばあさんの前で歌を歌って来た。老人の伝記を書いたり、老人の前で歌ったりするのはぼくにとってすごいアウェイな感じで、できることならそんなめんどくさいことはしたくないという気持ちも正直あるのだけれども、でも、アウェイで活動するということの苦しさがきっとなにかおもしろさにもつながるのじゃないかと思って、それでそんな伝記とかライブとかの話をぼくはほいほいと引き受けてしまうわけだけれども、やってみるとやっぱりおもしろい。めんどくさいけどおもしろい。めんどくさいからといって断ってしまっていたらこのおもしろさを感じることなくぼくは一生を過ごして死んで行くことになっていたのだろうと思うと、やっぱりいくらめんどくさくても、なるべくアウェイの仕事はしたほうがいいという気がする。仕事といってもぜんぜんもうけにはならなくて、でも、もうけることばかりが人生じゃないぞとも思うので、もうからなくても別にかまわない。
しかし、今日のライブでは、ぼくの歌が老人にもけっこう受けてしまい、アウェイで歌っているつもりが気づいたらホームで歌っていたといったような状況になっていて、あまりアウェイで試合をするような苦しさを感じることができなかった。けど、それはそれで全然良かった。
「うるせー!」とか「へたくそ!」とか「帰れ! 帰れ! 帰れ!」とか言われて、なまたまごとかトマトとか缶とかつばとかがばしばし飛んで来るようなアウェイで演奏してこそロックなのだ、とかも思うけれども、そんなきびしいアウェイでは演奏自体がなりたたないのじゃないか、という気もする。

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南極料理人』できたろうが「ぼくのからだはラーメンでできているんだよ」といったせりふにぼくはすごくしびれてしまい、ぼくもそんなかっこいいせりふを言えるおとなになりたいと思うので、最近はなるべく夜食にラーメンを食べることにしている。昨日はマルタイの棒ラーメンを食べた。今日はマルちゃんの黒とんこつを食べる予定。
ぼくが勤める大学図書館には『南極新聞』という新聞が所蔵されている。南極の昭和基地みたいなとこにいる人が自分らでつくって読んでいた新聞であるらしい。こんど暇なときに読んでみよう。

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またギター教室が始まる。
http://finttakk.jugem.jp/?cid=5
ぼくみたいなへなちょこギタリストが(未だにFのコードがちゃんとおさえられないのだ! ぼくは)おおきな顔をして1レッスン2800円もとって教室をやっちゃうというのは、そんなことがはたして許されるのか、とか思ってしまうけれども、これもぼくにとってはアウェイでの試合みたいなものなので、この教室からもきっとなんらかのおもしろさがでてくるのじゃないかしら。